こんにちは、黒子テツヤです。
僕はただいま、帝光中学バスケットボール部主将に
襲われています。
「ぁ、かしくんっ」
「……ん?」
「も、や、め……!くるし、い」
「そのまま窒息死してもいいんだよ?」
なんて物騒なことを言うんでしょうかこの人は…。
でもそんな彼が好きな僕も、相当物好きですよね。
部活はとうに終わっている。部員も誰も残っていない。
この部室にいるのは僕と赤司くんだけで、赤司くんに襲われているというのに抵抗しないのは……
恋人だから?無駄だって分かってるから?――気持ちいいって分かっているから?
「いや、です……っ!」
「うん。分かった」
「へ、?」
離れて行く赤司くん。
思わず間の抜けた声を出してしまいました…。
部室の長椅子に腰かける赤司くんが、足を組む。ぼうっと立っている僕をじっと見つめている。
……これは、帰ってもいいのでしょうか。
「テツヤ」
「……はい?」
「ちゅー、いや?」
ぼふんっと音がするくらい、沸騰した頭が爆発するかと思った。
ああああ赤司くんが“キス”ではなく“ちゅー”って!ちゅーって!
「やなの?」
比較的真面目に聞いてくる彼。
ポーカーフェイスで聞いてくる赤司くんなんですが…あの…可愛いです。
「別に、や、じゃないです」
「だったらどうして拒むの」
「拒んでいるわけではなく…罪悪感というか…背徳感というか…」
「いつも皆がいる部室でやらしいことしてるっていう、罪悪感と快感が入り混じって気持ち悪いのかい?テツヤは」
「赤司くんっ」
先ほどまでの可愛い彼はどこへ。
またいつも通りの赤司くんが降臨してしまいました……
「さっき、いやじゃないと言ったね」
「……」
「テツヤ」
いやらしく赤司くんが微笑む。
そして細いその指を自分の唇に当てた。
「……して?」
ちゅう。
……結局、してしまうのは君には分かっているんでしょう?
:……して?
個人的にキスじゃなくてちゅーって言わせるのが好きです←
……して?
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