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いきすぎた恋愛事情





――真ちゃんは、オレのものでなくてはならない。

なぜかって?その質問が逆になぜ。

だってよく考えてみろよ。真ちゃんの恋人はオレ。真ちゃんの彼氏はオレ。

オレの恋人は真ちゃん。オレの彼女は真ちゃん。

ほら、これが答えだ。

真ちゃんはオレに全部をくれるって言った。オレの全部も真ちゃんにあげたつもり。

真ちゃんの目にはオレしか映さなくていい。オレ以外の人や物が映らなければいいのに。

真ちゃんが見た人、物、触れた物、人。全部全部壊したい。でも真ちゃんが泣いちゃうからしない。真ちゃんの泣き顔は見たくないから。


「緑間くん、高尾くんから聞いたんだけど…」


中庭で隣のクラスの女子と話している真ちゃんを、渡り廊下から眺めていた。

泣きながら真ちゃんを責めている。

ありもしない事を言われさぞかし困惑していることだろう。そうなるように仕向けたのはオレだけど。

真ちゃんは一部の女子と汚い目で見る男子から人気があってオレは困っていた。

真ちゃんに告白した後の女子に近づき仲良くなってから、真ちゃんが実は困っているという旨を伝える。


『あいつ優しいから君には直接言わないけど、オレにあたってくんのよ。あいつ今そういう余裕ないらしくてさー。てか、君がいつまでも緑間好きじゃ報われないだろうから敢えて言っちゃうけど……毎日メールしてくるような女の子、うざい、って……。ごめんね、オレからきつく言っとくから…。あんな堅物、ひどく振っちゃいなよ、な?』


オレにありもしない事を吹き込まれて、本当に振りに行くなんて馬鹿な女。

だいたい振るっつってもおめーら付き合ってねぇし。ただ勝手に自分が告白して、緑間が断れなかったのをいいことにメアド交換させて、交流もってただけだろ?

そういう女が一番迷惑。だけど一番使える。

たいがいああいうのには仲間がいて、相談とかしてるはず。オレはそれ狙いなのだ。

だって、真ちゃんが酷いこと言ったんだ、って広まるだろ?

そしたら真ちゃんはほんとのほんとに一人になるんだ。

真ちゃんの周りにはオレしかいなくなるだろ?それって最高。

弱ってる真ちゃんを優しくオレが抱き留めてやるよ。

ほら、真ちゃんの目にはオレしか映らなくなる。

真ちゃんがぶっ壊れるまで、おかしくなるまで、愛してやるから。

オレから逃げようなんて、思うなよ?


「緑間くんが、そんな人だなんて思わなかった……!」

「……」


泣きながら去っていく女を数秒間見つめたあと、渡り廊下から見下ろしているオレを見上げてきた。

ああ、バレてたんだ。


「俺は、お前のものなのだよ」


真ちゃんの口がそう動いて、オレの口角がつり上がるのが分かった。




:いきすぎた恋愛事情

あらや様、43000のキリ番ありがとうございました!

や…病み尾って…なに…