世界で一番に
誕生日なんて、大して大事にしてこなかったここ15年。
この世に生まれ落ちたことは奇跡にも近いことなのに、ただ母親の腹ん中から出てきただけの日だろ、とかひねくれたことを思っていた。
高校に入ってその考えは変わったんだけどさ。
好きな人が出来て、その人の誕生日を一番最初に俺が祝ってやらなきゃって思った。
だって、そいつは特別で。
そいつの母親が産んでくれなかったら、俺と出会うことはなかったのかと思うと、どうしようもなく祝わなきゃいけないと思った。
本当に世界で一番最初に「おめでとう」って言ったら、小さく微笑んでくれた。
たったそれだけのことがどうしようもなく嬉しくて。
生まれてくるって
誕生日って
すっげえ大切な日なんだなって思った。
晴れて両想いになって、その恋人が俺のために試行錯誤してくれたり、不器用なりに甘えてくれたりしてくれたのを振り返ると、今年の誕生日は一生忘れそうにないな、なんて。
その恋人っていうのが変人なんだけど、毎日おは朝の占い観てて、その日のラッキーアイテムを必ず持ってんの。それはそいつなりの人事の尽くし方なんだって。
ラッキーアイテムを持ってると毎日平和だとかなんとか。
だからなのか、俺の誕生日の10日前から急に俺にもラッキーアイテムを持つように強要してきた。
俺は最初のうちワケ分かんなかった。なんで俺も持たなきゃいけねえの?って。
そしたらあいつが言ってくれた。真っ赤な顔して。
『お前は誕生日まで今まで以上に幸せに過ごさなくてはいけないのだよ』
もう死んでもいいって思っちまった。
同時に、すんごく抱きしめたくて。で、めちゃくちゃに抱きたかった。これ本音。
上手く家に誘いこんでベッドに押し倒した。
ら、ぐいっと肩を掴まれて、押し倒した相手の口から出てきた言葉に失神するかと思った。まじで。
「今日は、俺がするのだよ……っ」
「へ?」
まあ、相手……真ちゃんのほうが力があるわけで。押し倒してた俺は逆に押し倒されたんですけどね。
俺がするって、どういうこと?真ちゃんが俺に突っ込むってこと?
真ちゃんは下の方でもぞもぞ動いていて、震えている手で俺のベルトを外す。
ズボンすらはぎ取って、トランクスの中心をじっと見つめている。
俺は何すんのかなーと高みの見物していた。
「ん、」
「ぉわっ!真ちゃん!?」
真ちゃんはちゅく、とトランクスの上から俺のを舐める。
そして食べるように口に入れる。
真ちゃんの舌が動いているのが布越しに分かる。
時折甘噛みされるのがたまらなくイイ。
「焦らしプレイのつもり?真ちゃん」
「ふぁ、べつに、」
「ご奉仕してくれるんなら、もっとちゃんとやってよ」
真ちゃんが真っ赤な顔して俺のトランクスに手をかける。そこから顔を出した俺のに一瞬たじろいで、温かい口に含んだ。
片方の玉袋を優しく吸って、舌で舐める。
それを何回か繰り返してから、真ちゃんは顔を傾けて根元から亀頭まで舐めまわす。しかも俺を見ながら。
ちょ…っと、それはヤバいんですけど。
「しんちゃ、俺、真ちゃんみたいに喘いだ方が燃える?」
「……もえにゃい」
「はっ、正直……!」
ぶわりと先っぽから透明な液体が溢れ出る。
真ちゃんはそれをレロレロ舐めて、亀頭を上からばくりと咥えこんだ。
手で根元から擦られる。
――くちゅ、ずっ
真ちゃんのフェラはたどたどしくて、下手くそだけど好きだ。
だけど今はそれじゃ足りない。
俺は真ちゃんの頭をがっと掴んで、腰を激しく振った。
「ぅあっ!ふ、ッ」
真ちゃんには悪いけど、俺はイラマチオのほうが好きだ。
相手の無理矢理されてる感がたまらなくいい。真ちゃんだからかもしんないけど。
「っあー、イクよ真ちゃん」
「ふぁ、んんっ」
真ちゃんの口の中で射精する。頭を離すと、機嫌悪そうに緑色の目が睨んできた。
その口元は俺の出した精液が飲みこめなかったのか、白く汚れている。
「……最低なのだよ」
「ごめんって。ご奉仕してくれるのもいいんだけど、」
ぐいっと腕を引っ張って、ベッドの上に押し倒す。
俺は真ちゃんの耳に口を近づけた。
「上から真ちゃんのえっろい姿見るの好きなんだよね」
「……っ」
真ちゃんの服を乱暴にはぎ取って、赤い乳首を舐めながら既にひくつく穴に指をいれる。
「ひぁっん!」
「すっげードロドロ。一本すんなり入ったね」
「ぁああっ!やぁ、!」
「真ちゃんに問題でっす。何本入ってるでしょ?」
ずぷ、と三本の指を突き刺す。
バラバラに動かすのではなく一塊にして中を掻きまわす。
ぐっちゃぐっちゃといやらしい音が結合部から響いて、俺の手はどろどろの真ちゃんの体液で濡れた。
「わかんなっ、あああっ!わかんないのらよぉッ」
「いいから言ってみ?何本?」
「ぅ、に、ほん……?」
「ざぁんねん」
指を引き抜く。さっき真ちゃんがフェラ(正確にはイマラチオしたけど)してからイッた俺のもので一気に貫く。
真ちゃんの背中が弓なりになって、ぴくぴくしている。可愛い。
「正解は一本でしたぁ」
「ふあっ!ひきょ、なのらよッ」
「卑怯じゃないよ〜。正解しなかった真ちゃんが悪い」
ゆるゆると入り口まで戻っていき、またゆるゆると奥まで進む。
ゆっくりゆっくりと焦らされる感覚がいやなのか、真ちゃんは俺の腕を掴む。
わざとらしく何?と聞けば生理的な涙を流しながら、
「もっと、ひどくされても、いいのらよ……っ」
などと言ってきた。
俺の胸が締め付けられて、痛い。
俺はゆるゆると入り口まで戻って、一気に奥まで進む。前屈みになってから真ちゃんにキスをした。
薄く唇を開いてくれる真ちゃんがたまらなくかわいい。
――ぐちゅ、ぐちゅっ
「あ、あ、!やら、いっちゃ、たかおぉっ」
「イっていいんだよ、真ちゃん」
「や、まって、ふぁぁああっ」
真ちゃんがイってる最中でも、俺は腰を動かし続ける。
それに驚いたのか、真ちゃんが動きを止めるよう言ってきた。
「まって、まってたかおっ」
「待ってって、なんで」
いやいや、と首を振って懇願してくる。
仕方がないから律動を止めてやった。
すると真ちゃんが腕を伸ばしてきて、汗ばんだ俺の顔を包み込む。
「……真ちゃん?」
「誕生日…おめでとう、高尾」
ベッドの横にある棚の上に置いてある時計を見れば、ちょうど12時を回ったところだった。
俺は真ちゃんの手に自分の手を重ねる。
下にいる真ちゃんの目がわずかに見開かれた。
「……泣くな、ばかお」
「誕生日っていいね、真ちゃん」
「今更、何言ってるのだよ」
ぽたぽたと真ちゃんの胸の上に俺の目から零れた涙がおちていく。
霞む視界の中でみたのは、綺麗に微笑んでいる真ちゃん。
「俺は、これから何回もくるお前の誕生日を…一番最初に祝っていきたいのだよ……」
「真ちゃん」
「もしこの先お前と別れたとしても」
「それは有り得ないのだよ!」
俺はたまらずキスをする。
俺の首に腕を回す真ちゃんが、こつんと額を合わせてきた。
「高尾和成が、世界で一番だいすきなのだよ」
伏せられた瞳から零れた雫を、16歳になった俺は一生忘れない。
:世界で一番に
Happy Birthday TAKAO!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
これからも一生愛してる!
これからも一生一緒にいろよチャリア充!
高尾、何度でも言うよ。
生まれて来てくれてありがとう。
I hope you will be happy forever!
貴方がずっと幸せでありますように!!
20121121 TAKAO's Birthaday.
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