共通 2
全てが終わり、また始まった日から数日、平和な日々が過ぎていた

妖館で皆と下らなく何より大切な毎日を笑って過ごす

けどいつもあった柔らかく優しい笑顔がない
彼女がいない

ふとした時、皆の表情に影が差していた


「やっぱり私、夢子ちゃんを探す」

「雪小路さん?」

「だっているのかもしれないのよ!じっとなんて待っていられないわ」

「なら僕も行こう」


野ばらの言葉に凛々蝶がスッと立ち上がる
自然と視線が凛々蝶に集まった


「彼女にはまだ伝えてないことが沢山ある。だから僕ももう一度、夢子さんに会いたい」

「じゃあ、私も探す」

「俺だって探すぞ!なんたって不良「はーい!僕も探すの手伝うよー!」遮るな!残夏!!」

「フハハハッその必要はないぞ!」


バンッと大きな音を立ててラウンジのドアが開かれる
そこにはマントを翻しながら高笑いしている蜻蛉がいた


「ちょっと、その必要はないってどういうことよ」

「そうだ!君は彼女が心配じゃないのか」

「野ばら、凛々蝶」


反ノ塚が落ち着けと言うように二人の名前を呼ぶ
二人は苦々しい顔で黙るがやはり蜻蛉の高笑いに青筋を浮かべた


「蜻たーん、なんで必要ないのかな〜?」

「そうだっ!!お前は夢子が心配じゃないのかよ!」

「あぁ、心配なんかじゃないさ」

「………蜻様?」

「蜻蛉様」

「ふふふ、家畜共そんな怖い顔をするな。折角貴様等が悦ぶものを持ってきたというのに」

「悦ぶもの、だと?」

「だが焦らす私はやはりS!」

「もうこいつ凍らせてもいいわよね」

「では僕はそれを粉々にしますね」


青筋を浮かべながら笑う野ばらと双熾に他の住人は恐怖を覚える


「さすが貴様等もSなだけあるな。悦いぞ悦いぞー!」


蜻蛉は空気を読めないようだ


「まぁいい。さぁ肉便器共よ!悦ぶがいい!」


蜻蛉は入って来た時から開けっ放しの扉に振り返る
蜻蛉が影になり後ろが見えなかったが彼が横に少しずれると小さな影が一つ


「感動の再会といこうではないか!」


そこには愛しいあの子が小さくなっていた

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