ダリア成代。名前固定


「はぁー」


ベランダに出て息を吐き出すと白く空に舞う
さっきまでデート倶楽部の皆+先生方でお祭り騒ぎ
折角彼と恋人になって初めてのクリスマスなのにすっかり形無しだ
……なんて自分にもまだ乙女な部分があったことに驚く


「この季節に外でそんな薄着だと風邪を引いてしまう」


ふわりと肩に掛けられた彼の上着
そこから香る彼の上品な香りに、ドキドキしてしまう


「、蘇芳先生」

「二人きりの時は何て呼ぶ約束だったかな」

「あ…や、大和さん」

「いい子だ……ご褒美をあげよう」


ちゅ、と辺りにリップ音が響く
外で冷えた私の唇に彼の唇はとても温かかった


「冷たいな」


次いでぎゅっと抱き締められる
さっき上着を掛けられた時よりも大和さんの香りが強くなり胸一杯に広がった


「大和さん」

「ん?なんだ」

「お願いが、あるんですが」

「そうだな…今日は聖夜。可愛い彼女のおねだりを何でも聞いてあげよう」


可愛いなんて、さらりと言う大和さん
何時も綺麗やカッコ良いとばかり言われる私は可愛いと言う言葉に慣れていない
だからか大和さんは事あるごとに私を可愛いと言ってくる

それに聖夜だからだなんて、何時も私を最優先にする彼は聖夜だなんて関係なく私を甘やかす癖に


「あの、」

「ん」

「来年のクリスマスなんですけど」

「………」

「二人で過ごしてもらえませんか」


ぎゅっと大和さんの服の裾を握りしめる
あぁもう『ダリア』はこんなキャラじゃないのに


「全く君は…っ」


大和さんの言葉に恐る恐る彼を見上げると、染まった頬と欲に濡れた熱い瞳が目に入った


きっと今から此処を抜け出して私か彼の部屋で朝まで熱い蜜事を繰り広げるのだろう
そして朝になったら何時もの面子が部屋まで乗り込んで来てこれまた何時も通り騒がしくなるのが予測出来た


でも私も彼もそんな空間が嫌いじゃないから本当に困りものだ





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