「綺麗ね」

「あぁ…」


空に浮かぶ天の川を眺めながら、そっと寄り添うように龍也に凭れ掛かる
少し照れたように頬を掻く龍也に笑みが漏れた


「おいっ」

「んー?」

「何笑ってんだよ」

「ふふ、なんでもないわよ」


プイッと拗ねたようにそっぽを向く龍也の耳元が微かに赤に染まっていて可愛く見える


「ったく」

「龍也」

「あ?」

「龍也はこの空に何を願うの?」

「あー…考えてねぇ」

「何よ、つまんないわね」

「つまらなくて悪かったな」


こつんと軽く龍也の逞しい肩に頭突きすると龍也もこつんと私の頭に軽くその頭をぶつけた


「じゃあお前は何を願うんだよ」

「そうね、」

「んだよ。お前も考えてなかったのかよ」


苦笑する龍也を上目に見る
別に考えてなかったわけじゃない


「ずっと、今のまま」

「………?」

「ずっと今のまま、楽しい毎日をあの子達と、龍也と過ごせれたらいいなーって」

「、」


今のまま、なんて無理なのは百も承知だ
だけど、無駄だと分かっていても願ってしまう


その時痛いくらい強く肩を抱かれた


「りゅ、龍也?」

「俺は変わらない」

「っ」

「ずっと、今のままではいられないかもしれないけど傍にいてやるさ」

「…………ありがとう」



優しい温もりを感じながら私達は空に輝く天の川に想いを馳せた



ただ過ごしたい
今のまま、なんてコイツは言うけど、俺は今のまま終わるつもりはない


七夕の「た」



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