林檎成代。名前固定


「はい、真斗くん」

「…ありがとうございます」

「もーう!折角のクリスマスなんだからそんな拗ねた顔しないの」

「だが…」


今日は真斗くんと恋人になってから初めてのクリスマス
本当は夜景が綺麗と評判の高級ホテルで食事をと真斗くんが前から予約してくれていたみたいだが彼に仕事が入りダメになってしまったのだ


「それともなーに?私の手料理じゃ不満かしら」

「いや、そういう訳ではない!」

「まぁ確かに、高級ホテルの料理には劣るかもしれないけど真斗くんへの愛はいーっぱい詰まってるのになー…」

「林檎さん…!」

「ふんっだ」


プイッと拗ねたようにそっぽを向くと真斗くんは慌て出す
確かに高級ホテルでの食事や綺麗な夜景もいいけど、私はこうやって家でゆっくりと温かい空間を他でもない真斗くんと作れることが幸せだって思うのに、彼はそうは思ってくれないのだろうか


「林檎さん」


真斗くんに名前を呼ばれたかと思うと次いで唇にキスを落とされた


「え、」

「好きだ」

「、」

「誰よりも貴女が愛しい」


突然の告白
真摯な瞳で真っ直ぐ見られ頬が熱くなる


「っ、誤魔化そうとしてるでしょ」


フッと柔らかく微笑むと彼は頭を左右に振った


「何時でも思っている、貴女が愛しいと。それに二人きりのクリスマスだ…貴女の笑顔を俺だけに見せてくれないか?」


真顔で気障なことを真剣に言う可愛い年下の彼
でもやっぱり男で、どうしようもなくカッコ良くて

彼の後頭部に手を回し私から口付けた


目を見開きボッと赤くなる白い頬
そんな真斗くんに一言


「今日は貴方が私を、私が貴方をお互い独り占めするの。ふふ、聖なる夜にお互いをお互いが独占なんて素敵じゃない」


そしてとどめとばかりに彼の唇をペロリ、舐めあげるのだった





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