突発的な話 | ナノ



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「みんなーおはやっぷー♪」


朝、クラスに入って何時ものように元気よく挨拶する
それに笑顔で応える生徒
この子達の笑顔を見ていると何だかすごく幸せな気持ちになって顔が綻んでしまう


「じゃあ今日の課題を発表するわよー!」


軽くホームルームをやった後に今日のメインである事柄を伝えた


「今日からアイドル科と作曲科で4〜5人のグループを作って実習をしてもらうわ」

「「「え!?」」」

「仲の良い人と組んでもいいけど、ライバルと思う人と組んで技術を盗んだりしてもいいわね!あ、因みにSクラスも同じ課題だからSクラスで気になる子がいるなら組んでみてもいいわよ」


私がニコッと笑って話を終えるとそれぞれ皆騒ぎ始める

一息吐けて一旦教室を出て行こうとすると元気な声に呼び止められた


「林檎ちゃん!」

「あらなーに?音也くんに真斗くんに那月くん揃って」

「あの、林檎さんとは組めないのでしょうか」

「僕達是非リンちゃんと組みたいなって思いまして」


この子達は私の事を先生とは決して呼ばない
何回か注意してみたが直ることはなかったので今はもう諦めている


「私はダメよ、上手く貴方達で組みなさい」

「えー!俺林檎ちゃんと組みたいー」

「俺も、林檎さんと共に出来ればとても良い曲が出来ると思うんです」

「そうですよー、僕リンちゃんと一緒がいいです!お願いします」

「我が儘はダーメ!あ、ハルちゃん」

「はい、何でしょう林檎先生」


声を掛けるとハルちゃんは満面の笑みを浮かべ周りに花を撒き散らせながら駆け寄って来てくれる
うん、可愛い!


「音也くん達とハルちゃんってすーっごく相性がいいと思うの。だから、ね?貴方達で組んだらどうかしら」

「……え、」

「、」

「…………」

「そんなぁ…」


私の言葉にハルちゃん含めた四人が悲しそうな顔をする
男三人は兎も角、ハルちゃんが悲しそうな顔をする理由が分からなく戸惑ってしまう


「え、もしかして貴方達ケンカ中だったりしちゃう?」

「あ、いえ違います!一十木君達とは仲良くしてもらってます」

「そうそう!七海とケンカなんてしないよ」

「そう?ならいいんだけど」


慌てて首を横に振り否定する彼らが可愛くて頬が緩む
すると彼らも照れたように笑顔をくれた


「じゃぁ貴方達グループでいいかしら?」

「んー、林檎ちゃんと組みたかったけど…」

「仕方ないな」

「そうですね…」

「私も林檎先生と組みたかったです」

「貴方達、」


こんなに慕われるなんて先生冥利に尽きるわ


「ならレディは俺達と一緒にやりませんか」


Aクラスのいい子達に感動していると後ろから肩を抱かれた
視線を後ろに向けるとSクラスの問題j…人気がある三人が立っていた


「林檎さん、他クラス混同して良いと聞き貴女を誘いに来ました」

「林檎ちゃん!俺達と組んでくれよ!」

「貴方達は……、」


トキヤくん翔くんと誘ってくる
レンくんは相変わらず私の肩を抱いたまま


「私は先生だから貴方達の課題を一緒にやるわけにはいかないの!だから諦めなさい」

「Sクラスだと人数が合わないんです」

「そう。だからレディが俺達と組んでくれれば万事解決」

「なら龍也と組めばいいじゃない」

「いや、確かに日向先生に憧れてるけど…その、」

「おチビちゃん、そこで口籠もったらダメだろう」

「全く…所でレンは何時まで林檎さんの肩を抱いているつもりですか」

「そうだよ!林檎ちゃんが迷惑してるだろ!さっさとはーなーせー!」

「ていうかトキヤ達ズルい!俺達だって林檎ちゃんと組みたいのに」

「貴方達は四人で決まったんでしょう。私達はまだ決まってないので林檎さんと組みます、諦めて下さい」

「決まっていないからと言って林檎さんを困らせるな…彼女は組まないと言っているだろう」

「なんだ聖川、自分が断られたからって負け惜しみか?」

「可愛い翔ちゃんとリンちゃんの2ショットも見たいですけど、これだけは譲れません」

「俺だって譲れねーよ!Aクラスはいいじゃねーか!林檎ちゃんが担任で毎日会えるんだから!」


ギャーギャー騒ぐ彼らにひくり、こめかみに青筋を立ててしまう


「いい加減にしなさい!」

「、」

「もう貴方達七人で組みなさい!はい決定!…いいわね?」

「「「………はい」」」



ぷりぷり怒りながら去る林檎を見送りながら残された音也達がポツリと呟く



「美人が怒ったら迫力があるって本当なんだね」

「音也…そんなことを言っている場合ですか」

「全くだ…貴様のせいで林檎さんに怒られたじゃないか」

「俺のせいにするのか聖川?随分男らしくないじゃないか」

「でも怒ったリンちゃんも可愛いなー!」

「お前なー…いや、確かにどんな林檎ちゃんも可愛いけどよ」


林檎がいなくなった後でも彼らの言い争いは続いた……ともう一人少女がふるふると震えているのに誰も気付いていなかった



「皆さん!」

「??!!」


普段声を荒げない春歌の強い呼び掛けに彼らは吃驚する
春歌の方に顔を向けると可愛い顔で必死に睨んでいる(だろう)春歌がいた


「貴方達に林檎先生は渡しません!」



此処にまた一人、ライバルがいたことを六人が理解した





―――――
人数多いと疲れる(;;)
てか皆が林檎ちゃんをどう呼んでるか、林檎ちゃんが皆をどう呼んでるか忘れた←←

だから個人的願望で林檎ちゃんは名前に「くん」付け
音也、翔→林檎ちゃん
トキヤ、真斗→林檎さん
那月→リンちゃん
レン→レディ、林檎さん
春歌→林檎先生
にしてしまいました

原作と違うだろうけど許して下さいませ。


◇◆2011.11.18