突発的な話 | ナノ



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「ふええええさとーさん!」

「っと、どうした?種島」


どんっと勢いよく佐藤の腰元に抱き着くぽぷら
いつもは高く上げられている髪が今日は珍しく下ろされていた


「髪上手く結えないの!」


涙で濡れた大きな双眸に上目使いで見つめられ、腰に押し付けられている豊満な胸
佐藤は顔を赤らめ手で覆い隠した


「佐藤さん?」

「はぁーーー……」

「溜め息ながいよ?!」

「結んでやるから取り敢えず離れろ」

「はーい!ありがとう佐藤さん」


元気よく返事をするぽぷらとは反対に佐藤は既に疲弊しきっていた


「どうしたの?」

「いや、なんでもない」


下ろされているふんわりとしたぽぷらの髪が宙を踊る
ぞくり、髪にまでもが佐藤にとって興奮材料となっていた


「はぁーーーー………」


身体に籠もっている熱を吐き出すように微かに熱の籠った溜め息を深く吐き出した











さてこの状況は何なんだ
佐藤は頭を抱えたくなる

今の二人の状況は座っている佐藤の膝の上にぽぷらが向かい合って乗っている

無邪気ににこにこと笑いながら佐藤を疑わない無垢な目で見つめてくるから堪ったものじゃない


「種島、これじゃ結えないだろ」

「え、かたなしくんは何時もこうやって結ってくれるよ?」

「、」


あのロリコン野郎と内心毒突いた佐藤だった


「じっとしてるんだぞ」

「はーい!」


ぽぷらの髪を掬い上げる
柔らかく滑らかな髪がさらさらと佐藤の手から滑り落ちた
その度香る甘やかな匂いに心臓が高鳴るのがいやでも分かってしまう


「佐藤さんの手、おっきくて優しくて大好き」


ふとぽぷらが漏らした言葉
佐藤の身体中に巡る血液が一気に顔に集中する


もうダメだと思った


「おら、終わったぞ」

「すごい佐藤さん!早いしすっごく綺麗に纏まってる」


キラキラとした目で佐藤を仰ぎ見る
だが佐藤は顔を逸らす


「どうしたの?」

「何でもないからお前はさっさと仕事に戻れ」

「佐藤さんは?」

「休憩だ」

「そっか!佐藤さん、髪結ってくれてありがとー!」

「おう」


たたた、とぽぷらがホールに走り去るのを見届けた後佐藤は机に突っ伏す


「、反則だろ」


―――……可愛すぎる


ポツリと呟かれた言葉は誰に届く訳でもなく、静寂になった空気に溶けて消えていった



―――――
漫画買おうかしら……
アニメしか見てないって訳じゃないけど単行本は借りて読んだくらいです_(X3 」∠)_
キャラが絶賛迷走中です!


◇◆2012.05.27