突発的な話 | ナノ
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「はぁ…っ」
「え、風花、お兄ちゃんの事誘ってるの」
「椿」
「嫌だなー梓!冗談に決まってるじゃん」
「うるさい、どいて」
「風花?」
私は二人を押し退けて部屋に向かう
さっきから身体がゾクゾクしてダルい
完璧風邪だ……
「体調管理には、気遣っていたのにっ」
あまりのダルさに身体を壁に預けズルズルと床に崩れ落ちてしまった
「…っ……だる、」
「あれ、風花?」
「、雅にー」
「だ、大丈夫!?」
驚いた顔で駆け寄ってくる雅兄を最後に私の意識はブラックアウトした
ふわり、ふわり
柔らかく頭を撫でられる感触に次第に意識が浮上する
あぁ、確か私倒れたんだ、なんて何処か他人事の様に考えていると優しい声が耳に届いた
「風花、大丈夫?」
「ん…あー、雅兄」
そういえば私が意識を失う前に最後に見たのは雅兄だったと思い出す
その雅兄は眉を下げ困ったように私の顔を覗き込む
「あんまり無理しちゃダメだよ」
「別に、平気…」
「平気じゃない」
私の言葉に雅兄はらしくなく顔を顰めた
「風花はまだ中学生なんだよ」
「、」
「君はまだ子供なんだ。そんな成長期で発達途中の身体を仕事で酷使している…それに加えて学業だって疎かにならないように頑張っていて、身体を壊さない方がおかしい」
「雅兄、」
「ううん、ごめんね。風花を責めたい訳じゃないんだ…ただ、予測出来た筈なのに君が倒れるまで頑張っていた事に気付けなかったのが、悔しい」
まるで自分を責めるように言葉を発する雅兄
別に雅兄のせいじゃないのに、そんなに悔やむことないのに
そっと腕を伸ばして雅兄の頭を撫でる
さっき雅兄が私にしてくれたみたいに、出来る限り優しく
「ありがとう」
看病してくれてありがとう、心配してくれてありがとう、傍にいてくれてありがとう
沢山の想いを込めて笑顔でそう言えば雅兄はハッと目を見開いた後、綺麗に、とても綺麗に微笑んでくれた
「今日は僕がずっと看てるから」
「うん」
「早く元気になって、ね」
「んー」
雅兄の笑顔に安心したのかまた睡魔が私を襲う
「ふふ、寝ていいよ」
「ん、おやすみ、まさにぃ」
「おやすみ、可愛い風花」
優しい声に導かれるように私の意識は闇に落ちていった
その闇に広がるのは恐怖ではなく温かいものだから良い夢が見られるかも、なんて………、
「風花、大好きだよ」
寝てしまった私は雅兄の告白を聞くことも頬に触れた雅兄の柔らかい熱に気付くことも出来なかった
―――――
純愛って何ぞ?
え、これ純愛であってる?純愛とか私に無縁なもの……難しいよ!そんな綺麗なもん中学の時教師の靴にスライム共々入れて置いて来たわ!!
◇◆2011.12.18