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キャラが多くなるので分かりやすいよう「」の前に名前を書かせて頂きます!
成代主の名前はダリアで固定
ご了承下さいませ。



それはハロウィンのこと


葵「なあ、そういえばさー」

芹「何ですか?また下らないことじゃないでしょうね」

葵「うっせ!クソちび!下らなくねーよ」

敦「なら行き成り何だ?」

葵「うっぜぇ…まあいいや、ヅカ女」

「なんだ?」


急に名前を呼ばれて吃驚した
部屋の中にいる人達の目が私と葵に向く


葵「あー…なんか堕天使ってエロくね?」

「「「………………」」」


葵の言葉に部屋がシーンと静まり返った
私が深い溜め息を吐いてしまったのも仕方がないと思う


芹「やっっっっぱり下らないことでしたね」

藤「まあ、そう怒ってやるな。俺は葵が言いたいこと、分かるぞー」


キッと目をつり上げて怒る芹に葵の言葉に頷いてみせる藤先生


敦「確かに堕天使とは響きもエロいな」

侘「でも今言うか?普通」

芹「彼らに普通を求めるのがそもそもの間違いです」


芹の言葉に周りは苦笑いを浮かべたり溜め息を吐いたり、色々な反応を見せるみんな


葵「てかちげーよ!俺が言いたいことはそんなんじゃねーよ!」

藤「じゃあ何なんだい?」

葵「おい、ダリア!」

「だからなんだ?」

葵「お前はもう誰かに飴やったわけ?」


葵の一言に何故か皆の動きが止まる
女子生徒に一人一つ配布される飴、故に誰か一人にしか渡す事が許されない

確かに私も女だ
だから渡されている


「いや、誰にも渡してはいないよ」


渡したい、と特別に思う相手もいない
その言葉は続かなかった


葵「じゃあその飴、俺にちょーだいよ」

敦「はっ、何言ってるんだ。その飴は勿論、俺のものだろう」

芹「ちょっと何言ってるんですか?普段ダリアさんと一番仲が良いのは僕なんですからね」

侘「いや、仲が良いと言うよりも振り回してるんじゃ…それより!俺も仲良くなったって思ってるんだけど、どう?」

藤「うーん…やっぱりここは年長者である俺を立てて、八重原、その飴くれないか?」

「……お前達、散々貰ったというのにまだ足りないのか」

葵「はあっ!?なんでそーなるわけ」


私の言葉にぎょっとするデート倶楽部の面々
訳が分からず首を傾げた


芹「ほーんと、ダリアさんって人の気持ちには敏感なのに自分に向くと途端に鈍くなるんですから」

藤「まっ、そこも八重原の可愛いところだろ」

侘「でも少し虚しくなりますね、ははっ…」

敦「それより、飴はどうするんだ?勿論俺にくれるだろう」


敦盛の言葉にポケットに入っていた飴を取り出す
するとタイミング良くドアを開ける音が聞こえた


な「遅れました!」

「あぁ、なずなさん」


現れたのはなずなさん
ちょうど良かった

私はそっと、彼女の手を握った


「マイエンジェル、」

な「えっ、ダリアさん!?」

「君を待っていたよ」

な「あ、あのっ」

「これを、君に受け取って欲しいんだ」


握っていた手に私が持っていた飴を一緒に握らせる


「「「あ゙ぁ゙っ」」」

「マイエンジェル、受け取ってくれるか?」

な「は、はい…、」

「ありがとう」


ちゅ、と彼女の指先に口付けを一つ落とす
なずなさんは耳まで真っ赤に染めて俯いてしまった


葵「ずっりーよ!まじ子ぶたちゃんうぜぇ!」

敦「くっ、思わぬ伏兵がいたか」

芹「でもまぁ、仕方ないでしょう…このメンバーならなずなさんに贈るのが妥当だと思いますよ」

藤「そうだね、他の男に渡さなかっただけ良かったと思おうじゃないか」

侘「なずななら…うん、問題ないか」


ギャーギャー騒ぐ男共に呆れてしまう
全く、いい歳した男がお菓子の一つや二つで


でもそんな所も可愛いと思ってしまう私も、大概だ


「少し静かにしないか」

葵「だーってよー」

「ハロウィンだしカボチャを使ったお菓子とか色々、沢山作って来たんだ」

敦「何、チョコもあるか?」

「あぁ、勿論。だから皆でお茶会にしないか?」

な「賛成!ダリアさんのお菓子、大好き!」

「今度は『お菓子』を抜いて言って欲しいな」

な「え、」

芹「僕はダリアさんが大好きですよ」

「ははっ、嬉しいな。ほら、紅茶が入ったよ」

芹「全く、本気にしてくれませんよね」

侘「ドンマイ、芹…って、わっ!うまそ」

「ふふっ、どんどん食べて下さいね、兼田先輩」

藤「あ、俺はコーヒーね」

「分かっていますよ…はい、藤先生」

藤「さすが、八重原」

葵「おい、ダリア。早く此方来いよ」

「今行く」


皆笑顔で私の作ったお菓子を食べ進める
それを見てると愛しくなるんだ

まるで私が母になったみたいで、皆を守りたい

自然とそう思うようになっていった





―――――
全員出すのってむずかすぃー
教師陣も出そうかと思ったが無理でしたおおう…

でも楽しかった、です!

◇◆2011.09.28
◆◇2011.10.02 移動


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