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―――ガチャッ


風呂上がり、自分の部屋に戻ると部屋に不法侵入してる男が一人いた


「遅い!」

「珍しいな、敦盛が一人でいるなんて」

「ふんっ、なんだ…葵がいた方が良かったか」

「そんなことは言ってない。で、どうしたんだい?」


私のベッドに我が物顔で横になっている敦盛

その顔は沈んでいるようにも、イラついているようにも見えた

あるいはどちらも、そうなんだろう


「此方に来い」

「はいはい」


私が敦盛の横になるベッドに近付くとぐっと、腕を引かれた


「、」

「……敦盛?」


まるで子が母に縋るよう抱き締めてきた
私の胸に顔を埋めた敦盛は泣いているようにも見える

なにか、あったのだろうか

また母親に…、そこまで考えて止める
聞くべきじゃ、ない


「…っ……」


そっと敦盛の頭を撫でる
母の代わりになれるなんて思っていない
でも彼が、彼らが少しでも温もりを温かいと思えるように
少しでも、誰かからの優しさを嬉しいと思えるように


「お前は、」

「ん?」

「葵ばかり甘やかし過ぎだ」

「は?」


葵ばかり、そんな筈はない
デート倶楽部の面々には平等に接しているつもりだ

それにどちらかと言うと、葵よりも最年少である芹の方を私は甘やかしている気がする

私が黙ったのを図星だと思ったのだろう
私をより強く抱き締めながらキッと睨みつけるよう顔を上げた


「なんで葵ばかりっ、葵が、葵のことが」

「、敦盛」


優しく、出来る限り優しく頭を撫でて名前を呼ぶと敦盛は泣きそうに歪められた顔で押し黙る


「一緒に寝るか?」

「、は!?」

「寝るまで抱き締めていてやるから」

「っ、なんだ、俺に抱かれたいのか」

「はぁー…なんでお前はそんな発想しか出てこない。そんなこと言うなら一緒に寝てやらないぞ」

「なっ、馬鹿を言うな!俺が、お前と一緒に寝てやるんだ」

「はいはい、どっちでも構わない」


私は相変わらず胸に顔を埋めたままの敦盛に抱き締められたままベッドに横になる
きっとこれが敦盛の精一杯の甘え方

私は微睡む意識で腕の中で感じる敦盛の温もりをギュッと抱き締めながら深い眠りへと落ちていった










俺を包み込むように抱き締める華奢な身体
普段は男らしく振る舞っているがやはり、女なのだ

淡く香る花のような香りも、柔らかいこの身体も、

全部俺だけのものに出来たらどんなに幸せか



葵がこいつに膝枕をされているのを偶然見てしまった

薔薇園の片隅で、二人寄り添う姿が密やかに逢瀬を重ねているように見えて、苦しくなった


何故、葵だけ


こいつが誰かを特別に思っているとは思えない
悔しいがみんなに平等だから

でも、やはりあんな場面を見てしまえば俺は疑心暗鬼に陥ってしまう


もっと、もっと近くに彼女を感じたくギュッと身体を密着させる
距離が0になるように


こんな風に一緒に寝ることに躊躇わない彼女にムカつきもするけど、俺には、いや俺達にはこの温もりが必要なんだ

だから今だけは我慢してやるさ

いつか、彼女が特別に想うのはこの俺だからな





―――――
拍手が嬉しくてまたもや勢いで書いてしまった\(^o^)/

しかも寝起きに←

だから何時も以上になんか全体的におかしい!

◇◆2011.09.27
◆◇2011.10.02 移動


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