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「ダリア」
ぎゅっと後ろから葵が抱き着いてくる
回った腕にそっと手を添えた
「どうした?」
「冬休みはダリアも帰省しないよなぁ」
「あぁ、いや正直悩んでいる」
「は?」
回された腕の力が緩む
不思議に思い葵の腕の中をくるりと回り、後ろを振り向くとあからさまに不機嫌な顔が目の前に広がった
「葵?」
「なんで、帰んの」
「母が帰って来るらしいんだ。久し振りに会いたいと思うのは当然じゃないか?」
「ちっ」
舌打ちをし顔を背ける葵
その姿は拗ねた子供のようで可愛いと思ってしまう
「なーに笑ってんだよ」
ムッとした顔も随分可愛らしいけどこれ以上笑っていたら機嫌を損ねてしまうから苦笑いに変えて、癖のある髪を撫でてやる
「そんな顔をするな」
「、」
「分かった。帰らないよ」
「……いいのかよ」
「そんな顔をしている葵を置いていけないからな。それに冬休みに遊び尽くすのもたまには良いじゃないか」
私の言葉に顔を綻ばす葵に愛しさが込み上げる
勿論愛しさと言っても我が子に向ける愛情みたいなものだ
「なぁなぁ冬休みは二人でどっか出掛けよーぜ!」
「そうだな……あぁ皆でスキーに行くのも楽しそうじゃないか?」
「、みんなかよ」
「勿論二人で出掛けるのも忘れないよ。でも皆とワイワイするのも楽しそうだろう?」
「まぁ、な」
葵は意外と表情がコロコロと変わるから余計可愛く見えた
彼に手を伸ばすと躊躇いなくその手を握ってくれる
いつまで、私は彼等に必要とされるか分からないけれど、こうして甘えてくれるのなら目一杯甘やかしてやりたい
繋いだ手をそのままに歩き出す
冬休みの計画をあれこれと話しながら笑顔が溢れる今この瞬間を守りたいと思った
―――――
なんか最初と考えてたのと全然違う
初詣一緒に行こーぜって約束してダリアには何色の着物が似合うかていうか脱がしたいって話だった筈なのに
ううむ
月華繚乱またやろうかな
なんか、口調が、分からない(´;ω;`)
◇◆2012.01.01
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