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ただほんの少し、意地悪をしたかっただけだ


頻繁に我が物顔で私の部屋に入り、寛ぐ彼らにちょっとした意地悪の筈だったのに



「誰なんだよ、ダリア!」

「デート倶楽部の誰かか?この学園の誰かか?誰だ、お前を誑かした奴は」

「、」


ギリギリと葵の指が肩に食い込むくらい強く掴まれている

本当に、些細な冗談のつもりだった




『誤解されたくない人が出来た。だから部屋に来るのは控えてくれ』




その一言に二人は顔色を変える
驚愕、悲哀、絶望、憎悪、憤怒
それらを混ぜ合わせた表情に私は初めて彼らに恐怖心を抱いてしまった



「約束しただろ!ずっと傍にいるって、破る気かよっ!」

「悪いが破らせる気はない。鎖に繋いででも、足枷を嵌めてでも繋ぎ止めてやる」

「葵、敦盛っ」

「あー、なんなら、足奪っちゃう?」

「それは良い考えだ、葵」

「だろ?足の神経ぶった切っちまえば二度と歩けなくなるよな」

「そうしたらダリアは俺達の手を貸りなければ二度と何処へも行かないし行けない」

「うわっ、それちょー最高!」


恍惚とした表情でうっとりと夢見るように語る二人にゾッとする


そっと壊れ物を扱うようにベッドに押し倒された

優しく足を撫でられる


「ちょーっと痛いかもしんないけど、我慢してな」

「あぁ、ダリアに傷付けるのは忍びないが、許してくれ」


ちゅ、と足首らへんに口付けを落とされた
葵たちは本気だ

本気で私から足を奪おうとしている、


「待て!冗談だっ」

「あ?」

「は?」

「誤解されたくない人なんかいないし、私にはお前らがいるから作る気もない」

「…、……」

「………、…」

「すまない、」


長い沈黙が流れたかと思ったら二人は私に凭れ掛かってきて三人でベッドに沈む


「んだよっ、このバカ」

「全くだ…そんな冗談、質が悪すぎる」


二人はそれだけ言うと私にしがみ着き嗚咽を漏らしながら泣き出した
本当に、言ってはいけない事を言ってしまったんだ、と今更後悔する


私の肩口に顔を埋めながら泣き続ける二人の頭を撫でながら言葉を紡ぐ


「大丈夫だ。私はお前達から離れて行かない、お前達が必要とする限り傍にいる。お前達以外愛さないから」

「ぜったい、だからなっ、約束、守れ」

「もし破るようなら…、さっき言った通りっ、足を奪うから覚悟、しておけ」

「………あぁ」


恐怖心はもうなかった
あるのは罪悪感と愛しさ



ごめん、ごめんね
ぎゅっと抱き締める腕に力を込めると、二人も同じく力を込めた



決して離さないというように苦しいくらい、力強く





―――――
ダリア成代は葵たちから向けられる想いは母←子くらいにしか思っていません
無償の愛情を知らない彼らは母親のように接していた自分に執着しているのだと
時が来れば離れて行くと思っています

ある意味楽観的な考え
執着とか強ち外れていないが根本的な所を勘違いしているからか余り重要視していない。


うーん、何時になったら説明なしでも大丈夫なような小説を書けるのかな;;


取り敢えず気が向いたら
藤ver.芹ver.侘助ver.なずなver.
雪柳ver.蘇芳ver.蓮華ver.も書きたい

でも皆は無理、かな
ネタギレしそう…でも藤と芹と雪柳は書くと思う!
他は未定ですけど…。


◇◆2011.10.05

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