囚われの蝶はただ花が為に



高校からの帰り道


「ミネ?」

「え」


後ろから自分の名前を呼ばれた気がして振り向くと其処には、リカさんがいた


「お久しぶりですね」

「わー!お久しぶりです」


リカさんの元へ笑顔で駆け寄る

悪い人じゃ、ないんだけど
見た目が強烈と言うか…華やかで悠然と構えている彼女は綺麗過ぎて、少し怖い


リカさんとは私が小学生、イッキさん達が中学生の時に知り合った
最初はイッキさんの幼馴染みって事で目を付けられるんじゃないかとビクビクしてたけど

自惚れじゃないけど、可愛がられていると、思う


「最近全然お会い出来なくて寂しかったんですよ」

「ごめんなさい、高校の課題が多くて…」

「いえ、責めている訳じゃありませんのよ…バイトもお忙しいみたいですし、貴女が身体を壊してしまわれるんじゃないかと心配していましたの」


それに寂しかったと言うのも本当でしてよ、とリカさんは艶やかな笑みを浮かべた


「じゃあリカさん!」

「はい?」

「今から一緒にお茶しませんか?」


リカさんの腕に抱き着くように誘えば彼女は笑みを深めて本当に嬉しそうに頷いてくれる
それに私まで嬉しくなって、きゅっとリカさんの腕に抱き着いている手に少し力を込めた


「そういえばイッキ様が寂しがっていましてよ」

「イッキさんがですか?」

「ええ…最近ミネは反抗期なのか自分に甘えてくれない、と申していました」

「うーん…でも、もう幼馴染みに甘える歳でもないと思うんですよね」

「そうでして?ミネに甘えられるのは兄代わりを勤めてるイッキ様からしたら、とても嬉しいことなんでしてよ」


リカさんの言葉に首を傾げる
『兄代わり』
もしかしてリカさんは私をイッキさんの妹として見てるから、警戒してないのだろうか

でも、それも何だかハズレなような気がする


「(考えても分からない事を何時までも考えてても仕方ない、か)」

「ミネ?あ、もしかして私、何か気に障ることを言ってしまいましたか?」

「え、あ、いえ違うんです!ただ甘えるのって難しいなーって考えてただけです」


私の言葉にホッとした顔を見せるリカさん
あまり表情を面に出さない人だと思ってたから、初めは一々驚いていたけど今じゃその一つ一つが可愛く見える


「えへへ」

「どうしまして?」

「久しぶりにリカさんに会えたのが嬉しくて」

「まあっ」


いつの間にか繋いでいた手にリカさんは私が痛くならない程度に力を込める

お姉ちゃんが出来たみたいで、嬉しくて、また笑みが溢れた

自然と消えていた恐怖心



「(ダメでしてよミネ、あまり色んな方に愛想を振り撒いていては…貴女は私の可愛い可愛いDoll(お人形)なんですから、いつか私だけの可愛いミネ)」



ゆっくり、でも確実に加速している狂気たち

周りにある独占欲、束縛、所有欲、狂った愛
それらに気付かないまま、少女はただ笑って過ごすのだ





その笑顔が彼等を思い止まらせる

けどその笑顔が消えたら?
太陽が雲に隠れるみたく悲しみに隠れてしまったら?



それはまだ、誰にも分からないいつかのお伽噺





―――――

意・味・不・明( ゚∀゚)o彡゚
ただリカと姉妹のように仲良いんだぜ!って書きたかったんだけど何故か急カーブして怖いリカさま出してしまった( ゚∀゚)o彡゚
反省はしていなければ後悔もしていない(どーん)
最低ですね分かってます!


◇◆2011.09.14


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