夢だと何度も言い聞かせた
あれから数年、私は5歳になりました
この5年間で私はそれなりに状況が理解出来たと思います
多分転生、転生…?したんだと思います
前世の記憶ばっちりあるし…、
前世の記憶があるせいかどうしても頭にこびりついて離れない事がある
――お兄ちゃん
お兄ちゃんは大丈夫だろうか
元気にやってるのだろうか…
最後に見た兄の泣き顔が今でも鮮明に思い出せる
その度に私は泣きそうになるんだ
「ミネ、大丈夫?また泣きそうだよ」
「……………」
「ミネ?」
そして認めたくないけど何故か、何 故 か !
前世で友人から借りたアムネシアと言う乙女ゲームに出てくるイッキさんに似ている年上の幼馴染みがいます
認めない、例え彼の名前がイッキュウなんて珍しい名前だったとしても断じて認めない
だって認めてしまえばイッキと幼馴染みなんて…数年後、確実に私は彼のファンクラブから嫌がらせを受けるでしょう
何としても死亡フラグだけは避けたい…!
「ほら、泣かないで」
「ううー…」
子供に戻ったからか涙腺が凄く緩い
しかも泣いてる原因、貴方なんですけど
そんな事を思ってるとイッキにギュッと抱き締められた
「イッキお兄ちゃん?」
「大丈夫だよ、ミネには僕がいるでしょ」
「う、ん」
「僕が守ってあげる…だから怖いものなんて何もないよ」
よしよし、と頭を撫でてくれるのが、その優しい手つきが、前世のお兄ちゃんに似ていて
私は余計に涙を溢れさせた
「ははっミネは泣き虫なんだから、僕がずっと傍にいてあげなくちゃね」
イッキの温もりに包まれた私はこの言葉の裏に隠された無邪気な狂気に気付く事はなかった
(「絶対に、誰にも渡さないよ…渡してなるものか」)
それと認めたくない事もう一つ
髪色や瞳の色、あと顔立ちから私はミネちゃんに成り代わってしまったんじゃ、ないかと
でもミネちゃんって確かイッキと幼馴染みって関係じゃなかったよね?
私の思い過ごしか、私というイレギュラーがいる平行世界の一つなのか
まだまだこの世界について理解出来ていないでいた
―――――
ミネちゃんとイッキの年齢差が今一分からないので曖昧に濁してしまいました(…)
プロローグ(擬き)はこれにてお終い!
次から大きくなったミネちゃんでお送り致します!
◇◆2011.09.11
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