点滅する激情




「あ、っ」


ギリギリと絞められる私の首
さらりと、私に馬乗りしている彼の髪が頬を撫でる



「なぁ」

「っあ…、は」

「愛してるんだよ、お前を」

「ぅ、きょ…っさ」

「殺したいくらい、な」



苦しくて息が出来なくて、意識が薄れながらも必死に彼に手を伸ばす
狂ったように笑いながらもどこか泣きそうな瞳をする彼に、でももう意識が、闇に落ちそう


「あ、れ」


力が籠もっていた彼の手からふっと力が抜け圧迫されていた首が解放される
急に肺に空気が入り正常に呼吸が出来るようになったからか、噎せてしまった


「けほっ、ごほっ、は、ぁ」

「俺、何を、」

「はっ、あ、はぁ」

「ミネに、俺、ミネの首を」


呆然と自分の両手を見るウキョウさん
その手は震えていた


「俺、オレが、あ、ああああ」

「う、きょうさん」

「ごめん、ごめんね、ミネごめんね……苦しかったよね、辛かったよね…本当にごめん、ごめん、ごめんねミネ」


馬乗り状態からぎゅっと私に抱き着き狂ったように『ごめん』を繰り返す彼
私も少し苦しいのを我慢して背を浮かせ子供のように泣きじゃくるウキョウさんの頭を胸に抱く


「大丈夫です」

「大丈夫、じゃっ…ないよ」

「大丈夫です」

「うっ、ヒッ、ごめん、本当にごめんね…っ」

「ウキョウさん、私は大丈夫ですよ」


少しでも落ち着ければと私の心音が聞こえるように抱き直し頭を撫でる


「ミネっ、ミネ」

「はい、私はここにいますよ」

「うん、ミネ」

「なんですか?」

「ごめんね、大好きなんだ」

「、はい」



よしよしと頭を撫でながら彼が落ち着くのを待つ
ぐずぐずと泣くウキョウさんが何だか子供みたいで可愛く思ってしまい笑みが溢れた


きっと首にはウキョウさんの手の跡がくっきり残っているだろう
明日包帯をしなきゃ、そしたら皆に心配されるな、なんて言い訳をしよう、色々考えながら、私はまた彼の長くさらさらな髪をゆっくりと梳いた





―――――
ウキョウさん、難しい
でも結構楽しく書けた…!

◇◆2012.03.29



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