涙の魔法でわたしは還る



もしもの話
イッキ+リカ 狂愛





ジャラ、ジャラリ
私が動く度に不快な音が耳に響く
ジャラ、ジャラ
ピンクのロリータ服に似合わない重苦しい鎖が一本、二本、三本……
数えるのが嫌になるくらい腕に足に首に巻かれている
鎖が繋がれている首輪は、ある人を思い浮かばせる鮮やかで綺麗なアイスブルーで、そしてそれに付いている鈴は、これまたある人を思い浮かばせる淡いイエロー


なんで私がこんな目に



「あら、ミネ。目が覚めましたのね」

「本当だ、声掛けてくれればいいのに」



いきなり室内に響いた声に驚き、そちら見ると私をこんな目にあわせている張本人達が淡く微笑み近付いて来ていた



「可愛いですわ、ミネ」



恍惚とした表情で呟くリカさん
私の頬に手を添え唇を額に寄せられる



「リカ、一人だけズルいよ」

「申し訳ありません、イッキ様」



名残惜しそうに頬を一撫でして温もりは去っていった
続いてイッキさんに頬へ口付けられた
それをリカさんは嬉しそう笑い私達を眺めている


なんで、大好きなイッキさんが他の女に、況してや目の前で手を出しているのにそんな顔をするの?




私が知っていた彼等じゃない
画面越しに決められたやり取りをしていた彼等じゃない、今ここにいるのは、普通に生きている彼等で私も生きている

そうだ、当たり前だ
彼等には意志があり、異端の私がいるのだから、もうそこから歯車は狂っていたんだ

そう…初めから、彼等は狂っていた

現実を見ないで目を逸らし続けたのは私
きっといつかマイ先輩を中心に物語が動き出すと自分に言い聞かせて皆の心を蔑ろにした私への罰




「イッキ様、私とても幸せでし」

「うん。僕も、幸せ」

「毎日ミネに可愛いお洋服を私が着せて雛鳥みたいに私の手から食事を取るお風呂も私と一緒で私が可愛いミネを綺麗にしてあげる嗚呼なんて幸せなんでしょう可愛いミネが可愛いミネを私がお世話をしてあげてそして笑ってくれるんですその傍らにはイッキ様、こんな幸せ他にありましょうか」

「ありがとう、リカ。君がいてくれたからミネを僕達のものに出来た。皆もまさか僕達が手を組んでるなんて思いもしないだろうね」


すっとイッキさんの手が私の髪を優しく梳く、それと同じくリカさんは私の頬を撫でた
丁寧に、宝物に触れるかの如く、柔らかく


「ミネ、愛してるよ。何より君が愛しい」

「愛しい私達のミネ」

「ずっとここで僕達のものでいて」

「誰にも触れさせません」

「誰にも見せないし、ミネの瞳には僕達しか写してあげない」

「安心して下さいまし。ミネは何も心配せず私達に愛されていればいいのです」

「愛しい僕達のミネ」

「少しお眠りなさいな」

「起きたらきっと"いらない事"は忘れているから」



そっと丁寧に私の鼻と口元が布に覆われる
何か薬品の匂いがして、次第に私の意識は遠ざかっていた





どんどん記憶が溢れ落ちるかのように、私の記憶から皆の笑顔が消えていった


前世の大切な人達に現世で出来た家族友達のみんな、マイ先輩にサワ先輩、シン、トーマ、ケントさん、ウキョウさんにワカさんと


記憶が溢れ落ちていく






そして次に目を覚ました時、私はイッキさんとリカさんの記憶しか残っていなかった




そんな私を見て二人は綺麗に、狂った笑みを浮かべた





―――――
微妙な終わり方の上、なんか何を書きたかったのか意味が……

ヤンデレってこれでいいのかなー…いやだって本当は首締めるとかミネを殺して自分だけのものにするんだって感じのを考えていたけどミネちゃんに痛い思いさせるのいやあああってことでこんな事に_(:3 」∠)_

最近平和すぎる!と思い書いてみたけど……これもある意味平和じゃね?って思ったのは私だけじゃない筈


◇◆2012.03.13



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