お蔭様で重症の恋間者です




最近ケントさんが冥土の羊でバイトを始めた

最初はちょっと怖かったけど話してみると楽しいし、何だかんだでイッキさんと一緒に悪ノリするところも好きだ

そして何より


「ケーントさん!」

「っミネ!行き成り抱き着くなと何度言えばっ」

「いいじゃないですかー。あ、そうだ!今度一緒にデートしましょうよ」

「だからっ」

「温水プールなんてどうですか?新しく買った可愛い水着があるんです」

「みっ!!?」

「あ、それともケントさんはセクシーなのが良かったですか?」

「いい加減にしたまえ!君は、付き合ってもいない相手に抱き着くだけじゃなく、男の前でそんな、肌を晒すようなことがどれだけ危険なことか分かっているのか!?私だから良いものの…いや良くないな、私だって男だ。それに、君を……その、可愛いと、思っている一人でもある…ゴホンッ、取り敢えず私が言いたいのは相手が誤解するような事は、って君!聞いているのか」

「はーい、聞いてまーす」


すみません、半分以上聞いてませんでした
でもこうやってケントさんをからかうのは面白くて止められない


シンだと一刀両断されそうだし、イッキさんだと身の危険を感じる、トーマ先輩にはすっごく長いお説教されそうだから絶対に出来ない、と言うよりやろうと思わない

ウキョウさんも面白い反応しそうだけど一応お客さまだから

それに比べてケントさんは顔を真っ赤にして慌てふためくから面白い

最初は下らないって一刀両断にされるかとも思ったけど、こんな反応をされたらまたからかいたくなるというものだ


「まあ、分かってくれたのなら何よりだ」

「ふふ」

「何を笑っている!」

「すみません!何でもないです」


全く、と言いながら呆れた顔をするけどその頬は赤く染まってて少し可愛く見える


「あ、そろそろケントさんの休憩終わりますね」

「もう時間か…君が近くにいると時が経つのが早いな」

「、え」

「休憩時間はゆっくり休んで残りのバイトも頑張ってくれ」

「はーい。ケントさんも頑張って下さい」

「ああ」


軽く笑ってケントさんはバイトに戻って行った









「はぁー…」


溜め息を吐き、腕を枕にして机に伏せる



「これで全員、揃っちゃった」


冥土の羊の、みんなが

店長に、イッキさん、トーマ先輩、シン、ケントさん
マイ先輩、サワ先輩、『ミネ』である私

ここの常連であるウキョウさん
イッキさんに心酔しているリカさん

役者が揃ってしまった



気付いてる、分かってる

全員が揃って、きっと物語りが動き出すということ



どうなるのだろう
原作通り、マイ先輩が精霊とぶつかって記憶喪失になるのか

それとも、私の全く知らない物語になるのか



考えるのが怖くなって、ぎゅっと強く目を閉じて耳を塞ぐ
視覚、聴覚が閉ざされて少しだけ、ホッとした






―――――
やっとケントを出せた
てか、ウキョウさん出すのムズくないか…?
うわあああでもがんばる!

そして次回急展開!
次回予告なるものを書いてみました。暇潰し程度にでも見て下されば幸いです
↓↓↓↓↓







―――――次回予告



「ミネが好きだ」


前世のお兄ちゃんに似ている彼は一体誰?





「実は、彼氏が出来たんです」


―――パリーーーンッ


壊れたものはなんだった?





「リカ」

「分かっていますわ」


壊されたものはなんだった?





「消さなくちゃ」


愛故に、壊れたのはきっと、





近日公開!乞うご期待!



◇◆2011.10.02


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