アルヴィンに連れられてきたのはやはりクルスニクの槍の倉庫だった。
「ここで…何をするの…」
倉庫に入るとアルヴィンは振り返る。
「ちょっとした観察だよ、よくある視察、マクスウェル様のな」
アルヴィンはただそれを言うと物陰に隠れた。
精霊の主〈マクスウェル〉という単語を口にした。
マクスウェルは元素の大精霊だ。このリーゼ・マクシアを支えていると古代から言われているらしい。
「え…どういう事…?マクスウェルって大精霊よね?一体…」
「しっ!静かに」
私を物陰に引き入れて口元に指をあてた。
下を覗き込むとそれは先程の女性だった。
「あの女の方がマクスウェルらしい」
アルヴィンは静かに言う。
多少話していても二階の為気付かれない。
そばには先程の少年、ジュードがいた。
きっと、あてが無くあの女性について行ったのだろう。
「そう…なんだ…」
その反応を見たアルヴィンは気遣うように私を見た。
「なんだ?知り合いか?」
先程の事は知られてはならない。
「ううん…何でもない」
私はしらを切った。
少年、ジュードは操作盤を触った。
どうやら機械情報の一部を開いたらしい。
女性はなにやら術式を展開した。
「やるぞ!人と精霊に害なすこれを破壊する!」
彼女が召喚したのは四大精霊だった。
四大精霊はクルスニクの槍を囲み新たな術式が展開された。
息を呑んで見ている事しか出来なかった。
不意に操作盤の近くにあの少女が立っていた。
「許さない…うっざいんだよ…!」
物凄い勢いで操作盤を打ち出した。
「君はさっきの!?」
ジュードはそれに気付き叫ぶ。
突然動き出したクルスニクの槍。
それはマナ回収の合図だった。
ガクッと力が抜けて倒れそうになる。
「おっと…大丈夫か?」
すかさず支えてくれたおかげで倒れずに済んだ。
「うん…大丈夫、マナが…抜かれて…」
苦笑を浮かべアルヴィンにしがみつく。
「うっく…!マナが…抜ける」
同じく下にいるジュード達も同じ反応をしていた。
「馬鹿者!正気か?お前もただでは済まないぞ!」
女性は叫びながらも前に進もうとしている。
少女は嘲笑い、ふらつく足で立った。
「アハ…アハハハ!…苦しめ…し…死んじゃえーーっ!!」
そう言うと彼女は倒れた。
マナが切れたのだろう。
「あ…う…うぅ…」
次々とマナが吸い取られもはや足に力が入らない。
辛くて、辛くて。
いつかはきっと殺し続けた仇が返ってくると思っていた。
神様ごめんなさい。
私は醜く愚かな人間です。
きっとすべて絞り取られて死ぬんだ。
いつかはこんなキタナイ所から逃げ出してしまいたかった。
でも、逃げられない理由があったのだ。
「あ…る…ごめ…ん…ね?」
迷惑掛けて。
あなたも大変なのに。
私よりもっと。
辛かっただろうに。
どうか、目覚めた時に愛すべき者に出会えたならーー。

嗚呼、いつか聴いた。

心の軋む音がする。








少し停滞気味ですみませんm(_ _)m
少しずつですが進めていきたいと思います(^-^;)
これからも頑張ってメキメキ書いていきますので応援の程よろしくお願いします(*^^*)
それでは第七話でお待ちしております。
Thank you☆彡

闇憂




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