海風が頬を撫でる。
やっとたどり着いた陸地は他の場所とはあまり変わり映えしない。
「やあっと着いたよ…」
アルヴィンは船を降りると大あくびしながらぼやく。
「ほんと、短いようで長いよね…」
私も小さく欠伸を零す。
ミラは辺りを見回す。
「これが…人の街か」
「外国って言ってもあんまり変わった感じがしないね」
「ア・ジュールって言ってもここら辺はな、ほら地図だぜ」
ジュードにアルヴィンは地図を指差して言う。
「リーゼ・マクシアはア・ジュールとラ・シュガルの大国二つに分かれているけど、この辺は丁度中間だから色々入り混じってるんじゃないかな」
私はア・ジュールとラ・シュガルの場所を指でなぞった。
「私の社があるニ・アケリアは…ここから北だな」
ミラは考えるようにして言う。
アルヴィンは何か企むようにミラを見やる。
「ふーん、それで?すぐ発つわけ?」
「そうだな、早い方が良いだろう」
アルヴィンの質問に対してミラは即答する。
「じゃあ、行こうか」
「待って、先に宿へ寄ろうよ」
「う…うん、そうだね」
ぎこちない笑顔のジュードは空元気だというのが一目で分かる。
私はジュードに駆け寄る。
「アルヴィン、傭兵と言うからには戦いに自信はあるのだろう?」
「ああ、そりゃあな」
アルヴィンとミラはなにやら剣術の練習とやらをする事になった。
というのも稼ぎながら戦うと言う約束をしていた。
そのための基礎練習らしい。
暇になってしまった私とジュードはただ眺めていた。
「落ち込まないで、ジュード」
「うん…でも全部僕のやった事だから」
練習を眺めながら励ますもののあまり効果はなかった。
「ふぅ、」
練習が終わったらしくこちらに戻って来た。
が、ミラの様子がおかしい。
「ミラ?」
軽く声を掛けるのと同時にミラの身体が倒れる。
私はそれを受け止め、ミラを診る。
「ミラ?!」
ジュードも気付き駆け寄って来た。
「熱はなし、脈正常…」
私は脈などを計り呟く。
「ミラ、どんな感じ?」
少し焦り気味のジュードはミラに聞く。
ミラは軽く震え私に手を伸ばす。
「力が…入らない」
うう…と唸りながら苦しそうにする。
「ミラ…?」
ぐおおぉぉぉといった地響きのような音が場に響く。
私とジュードは緊張状態が一気に解け苦笑する。
「まさか…」
呆れた私達一行は取りあえず宿屋へミラを運ぶ事にする。



迷走鈍行

(どんなに焦ってもしょうがない)







話が随分変わったなんて言うのは気にしない…(´・ω・`;))
ミラ様が倒れるシーンまでいったー!
イバル落ちの子も話に入れようか悩みどころ…(´・ω・`)
新しく管理人の名前を変えてサイトを始めましたよー(*´∀`)
分かった方はすごいですな
ではまた第十五話にてお待ちしております(^-^)
thank you☆彡

闇憂




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