存在理由 TOA/シンク/切甘

私は2年前ヴァンによって何もかもを奪われた
アッシュ同様に


私は7年前から誘拐されるまでの5年間、ルーク(すでにアッシュではない)に専属メイドとして仕えていた

ルークは私に他の使用人がいないときは(ガイは別)呼び捨てしろタメ口にしろというので遠慮なく従った

ルークとガイとの日々は毎日が楽しかった
メイドの身分でこんなことしていていいのだろうかと思ったこともある

でもその幸せの花は散ったのだ

誘拐。ヴァンが私を。

そして私のレプリカをファブレ公爵邸に送り込んだ


時が経ち今は15歳
六神将烈風のシンク(彼氏)の補佐として働いている。

本当の名前はナマエ・ファミリーネームだか今は
[ステラ]と名乗っている。
ヴァンに貰った新しい名前だ

ただしシンクは二人きりのときだけ[ナマエ]と呼んでくれる
私が頼んだんだ


『はぁぁぁ…』

「他人の部屋でため息つかないでくれる?」


ため息をつきたくなるさ

さっきから耳に入るのは
シンクがペンを紙の上で走らせる音だけ
私も手伝うって言ったら
信用できないから無理
とか言って拒否された
シンクあんまり構ってくれないんだよいつも…はぁ

暇だぁぁ

『あ〜ぁ…誘拐さえされなければ、私は楽しい毎日を送れたのに…』

「…っ……あんたは、帰りたいわけ?」

『別にー』

「なにそれ」


『なんか良いことないかなぁ…
ルーク元気かなぁ…』


ルーク達は今旅をしている

私はシンク同様仮面をつけているので、ルークが私を見たとしても私だとは気づいていないだろう
「彼氏の前で男の話するとか嫌味にしか聞こえないよ」

シンクは軽くイライラしているようです。←

ってかさっき私に他人とか言ってたような

『むー。』



コンコンッ

扉をノックする音が聞こえた


『どうぞー!!』

ノックしたのはアリエッタだった

『アリエッタちゃぁぁん☆可愛いよぉぉ☆』

「ありがとう…です
ヴァンからの伝言伝えに来た…です」




伝言の内容は―――
ルーク達の足止め


私はルーク達とは対立したくなかった
だって昔あんなに仲良しだったから

でも閣下からの命令だ
行かなくては。



『ありがとう。アリエッタ
ヴァンに出動しますって伝えといて!』

「はい」





『さぁシンク行こう』

シンクは仮面をつけた
もちろん私もつけた


「僕一人で行く」

『え!?いやいや、そんな役に立たなかったっけ私!?!?』

「自覚もないなんて、脳みそも終わってるんじゃない?」

『うわっ
まぁ私も意地でも付いて行くからね!!』






そうして私たちは
ルーク達を足止めに行った





続く...







人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -