届かない TOX2/ヴィクトル/切
届かなかった。
手元からずり落ちた愛しい手。
二度と開く事の無い眼。
悪いのはいつも俺だったーー。
届かないならやり直そう。
何にも邪魔などさせない。
『ごめん…ね?…る…どが…だけ…は…幸せに…』
愛しい彼女の最期の言葉、願い。
けれどナマエ以外有り得ない。
ナマエが居なければ幸せになど…
ここが分史世界ならば正史世界の俺が憎い。
なら壊そう。
そして、成り変わってしまおう。
カナンの地で生まれ変わろう。
嗚呼、でも知っていたよ
彼女の最期の言葉の続きを
”もしも、生まれ変われなくても私はあなただけを愛した一人の女の子だよ”
ナマエ…
ごめん。
もう遅いよ。
だって全て壊れてしまったんだから。
紅く染まった己が身体を見て
一人孤独に散る。
一人の少女を残して。
救いようの無い話が書きたかったという闇憂の悲しい発想の賜物です(´・ω・`)
ヴィクトルの最期の表情は察して下さい(^-^;)
どうかヴィクトルにも救いの手を…(ToT)
闇憂