基山くんは優しいひとだ。ひとりぼっちの私にいつも話しかけてくれる。きらきらとした笑顔でサッカーについて話したり、時には思い詰めた表情で悩み事を打ち明けてくれたり。どんな内容であれ、私はひとりぼっちが好きではないから基山くんが話しかけてくれるとすごく嬉しい。今日はどんな話をしてくれるのかな…。とても楽しみだ。
基山くんはたまに私にプレゼントをくれる。美味しそうなチョコやマカロンなどのお菓子から高そうなブランドの可愛い洋服まで。何故そこまでしてくれるのかは分からない。だけどプレゼントを受け取ると基山くんは笑ってくれるから、素直に受けとってしまう。ちなみに今日の洋服は基山くんがくれた白いワンピース。フリルが可愛いから結構お気に入りなのだ。
さて、基山くんはいつ来てくれるのかな。多分もうそろそろだと思う。
「夢子!」
ああ、基山くんだ!!基山くんは勢いよく開けた扉を今度は静かに閉めてから私に近付いてきた。エメラルドグリーンの瞳にじっと見つめられて恥ずかしい。
「相変わらず君は綺麗だね…」
基山くんが上に跨がって私を見下ろす。
「ああ、その白い肌に触れてしまいたい。…でも」
すうっと基山くんの切れ長の目がさらに細くなった。
「――この硝子が邪魔だな」

がらす…?がらすって何?何の事なんだろう。
「でも仕方がなかったんだ。硝子の箱に入れておかなければ夢子はぼろぼろに崩れてしまうからね」

ぼろぼろに崩れ…る?私が?
ちんぷんかんぷんな基山くんの言葉を聞いていると、ある異変に気付いた。何と私のまわりが液体で満たされているのだ。





ああ、そうだ…私は…彼に…殺されたんだっ…た……






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