転校生の基山さんは私と同じクラスだった。
彼女は転校生という立場とその完璧すぎる美貌のためクラスからは浮いている。しかし、本人はそれを全く気にしていない様子である。


そんな4月の下旬頃、私は風邪のため何日間か学校を休んだ。その間に身体測定があったらしく、私は後日保健室へ向かうことになった。
保健室のドアを開けるとそこには思わぬ人物がいた。
「こんにちは、夢野さん」
「あ、」
保健室の先生と仲よさ気に話していた彼女は基山さんだった。クラスメイトということで声を掛けてくれたようだ。なんだかクラスでの雰囲気と随分違う。リラックスしてありのままの自分を出しているように思える。しかし、私は彼女への警戒心が解けないため返事を返すことができないでいた。
無言になってしまった私達に助け船を出してくれたのは先生で、「身体測定の子?じゃあ基山さん席を外してくれるかしら」と言った。

私は身体測定を終え、先生はその結果を紙に書いている。時々落ちてくる黒髪を耳に掛ける動作がとても素敵だ。この学校には色んな先生がいるけれど、私はこの先生が1番好きだ。実は、大人になったらこんな女性になりたいと憧れている。
「あの子、よく保健室に来るの」
「基山さんのことですか?」
「ええ。全然平気って顔してるけど、本当は友達がいなくて寂しいのよ」
「……そう、なんですか…」
少し驚いた。西洋人形のようなあの少女も、人並みの感情表現をもっているらしい。
結果を書き終えた先生は私に紙を渡して言った。

「貴女なら、あの子の友達になってあげられそうな気がするわ」






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -