ニューハーフバー亜天使(その2)

会社員の男の話は面白く、直ぐに意気投合し、 楽しく飲んでいた。
「あはは!君と話すと楽しいよ」
「私もです」
「本当かい!嬉しいな〜」
ますますご機嫌が良くなり、お酒を何本も注文して、そのお酒を飲む男は、ベロンベロンに酔って店で寝てしまった。
「寝ちゃったわね。悪いけど、奥にタオルケットがあるから、かけてあげて。後少し大吾ちゃん借りていいかしら?」
「はい」
ママが店を出ると、名無しは、店の奥からタオルケットを持っていて、男にかけようと近寄ると、男がガバッと起きて名無しに抱きついたのだ。
「名無しちゃ〜〜ん!!!!」
突然のでき事に名無しは、混乱した。
「ちょっ……」
「名無しちゃ〜〜ん好きだ!」
顔が寄ってきて、キスされそうになる。
「(だ、駄目!大吾さん!!)」
グッと目を瞑ると、突然少し強い力で手が引っ張られた名無しは、転倒しそうになったが、体が宙に浮いたのだ。目を開けると、大好きな人の顔があった。
「名無し大丈夫か!」
「大吾さん!……ありがとうございます」
チラッと会社員の男を見るとうつ伏せで、イビキをして寝ていた。

閉店時間。
会社員の男を起こし、さっきの事を話す
と、“そうだったんだ〜名無しちゃんごめん!でもキスしとけば良かった”と笑顔で話せば大吾に睨まれ、びびってそさくさと帰っていった。
「名無しちゃん今日助かったわ!ありがとうね。大吾ちゃんも!」
「こっちも楽しかったです」
「今度はお客として来て〜」
ママにさよならを告げて店を出ると夜中で。
「これからどうしますか?」
「俺の家に来るか?疲れただろう?」
“はい”と返事をして、二人手を繋いで大吾の家と向かった。

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