初心者は玩具 [ 1 / 16 ]
「ヤりたくなった…?」
彼が差し出す腕を取れば張り付いた身体も軽々浮き上がる。慎さんも男…そんな今さらのことを思い知らせる。
いつぶりぐらいだろうか。ラブホテルにやって来たのは…正直ここまで来る間に何か話をしたのか、どうやって来たかさえ覚えていない。
『キャッ…』
ドンっ──と…
何の前触れもなく背中を押されベッドに倒された腰の横、ギシッと音を立てシーツに食い込む彼の膝。
『あ…の…シャワーを…』
怖い。だけどこんなこと何てことない、素振りで告げる。
「ククク…緊張してんの?俺も緊張してる…」
『!』
私を嘲笑うかの様に見据える。
『き…緊張なんか!』
「やっぱり、ね…アンタいつも逆言うよね、脱いで」
『…』
「アンタが脱げないんなら引き裂いてやってもいーけど…帰り困るよね?」
私のシャツに手をかけながらどこまでも見下す瞳と口振り。
『じ…自分で脱ぎます』
「…」
手が震える…黙って舐め回す様に私の指先を追う、躊躇う…下半身は流れる…熱い。
胸元のボタン、スカートのファスナーは外し終え後はベッドに張りつく身体を浮かせばいい。
彼は押さえつける腕の力を緩め私を起こした。
一気に2人しか見えなくなる。貪りつくように唇が重なる。
クチャクチャと音をたてながら器用に、はだけたシャツ、ブラのホックを外し胸を露にする。
『…っ。イヤッ!付けないで!』
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