「そっそんなのはダメだ!!ユナ、お前は私達と一緒にいるんだ…行っては、いけない」

「ダメ…ダメなの!私っアルカナ・ファミリアに入りたい!!お願い、ママ、パパ」

「「ユナ………」」

彼女の強い思いが、二人の心を揺らがせました。二人は、彼女の初めての決意を無駄には出来なくなってしまいました。二人もまた、決意しました。

「………分かったわ。でも、貴女が一人前になるまで…成人するまでは、行ってはダメ」

「成人………ユナが、二十歳になったら…うん」

彼女は納得して、彼女に会いに来た人達もその言葉に納得しました。一番最初に家に入ってきた人は自分の事をモンドと名乗り、同行した二人を連れ去っていきました。

「また会おう、お嬢さん」

「……………!!」

サングラスをかけた奥に光る目を、彼女は忘れる事はありませんでした。
そして彼女は19歳になり、デュエロまであと3ヶ月になりました―。



「!何だろう…遠くで、強い何かを感じる」

あの日から、沢山の日数が経って。自分なりに中に潜む2つのチカラについて理解しようと頑張って、コントロールの仕方を覚えた。自分の能力は大まかに言えば視野が広がる事、そして直感力が上がる事。今まで外に出れなかった分の知識は、それで色々と凌いできた。外で遊ぶ子供達を見るのは心にあまり、良い刺激は培ってくれなかったのも、また一つの思い出。

「二十歳まであともう少し…だけど」

また今も、直感的に感じた。頭に浮かぶのはアルカナファミリアに誘ってくれたサングラスの人、そして迎えに来てくれた張本人の、モンドと言う人。きっとアルカナファミリアに何かがあるんだと、私の直感はひしひしと身体に流れてきて。両親の異論に反する事は…本当はしたくなかった、けど。

「っパパ、ママ…ごめんね!!」

それでも、待っていられなかった。
今まで二十歳になったらすぐに移動出来るようにと用意していた荷物を取り出して、2人の寝ている部屋を通り過ぎる。今は夜中だったからこそのこの自分の決意を、私は無駄にしたくない。

そして、私は広い外へと―。







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