「でーっきた!うーん我ながら上出来!!」

「美味しそう!!私も食べたいです!」

「料理、上手です」

「へへへ、ユナこれでも料理得意なんだよーイタリア料理はまだまだだけど、日本料理なら得意かな!」

「イタリア料理も素晴らしい出来ですよ?」

ありがとうとお礼を言いながら皆の分をお皿に取り分ける。料理人のマーサさんのお手伝いみたいなものだから、確実に味は大丈夫だと思う。本格的なイタリア料理ってあんまり食べた事なかったから、レガーロに来れて凄く嬉しいけど……日本料理、いつか恋しくなりそうだ。

「!………あれ?」

「どうしたんですか?」

「いや、何かこの味…凄く懐かしい感じがする」

「前にも食べた事があるんじゃないですか?」

前と言っても19年間の歴史の中でこれといった記憶はない。本格的なイタリア料理を食べた記憶が見当たらないとするも、もしかして小さい頃に食べたから覚えているのかもしれない。

「ま、いっか!それより早くご飯運ぼう!」




「あーさすがに腹減ったよなあー………」

「すいません、中々実験が終わらなくてですね…」

「、ルカのバカ」

「おっお嬢様酷い!!?!」

「はい!おーまーたーせ、しました!!!」

作った料理を両手一杯に抱えながら皆が待つ部屋に運び込む。今までこんなに一度に沢山の両手を作ったのは始めてで、更に皆と一緒に食べると言うのも始めてだ。今日は始めてだらけだなあと思ったら足を滑らせそうだったけど、何とか踏みとどまった。

「ユナ!?起きてたのか!」

「うん、おはよう!リベルタごめんね、ユナまさか寝ちゃうなんて思ってなくて…」

「いいっていいって!気にすんなよ」


「あ!ねえねえもしかして今日のご飯ユナが作ったの?」

「え?うん!マーサさんの手伝いみたいなものだけどねー」

自分の席に着きながら話していれば、パーチェはよっぽどお腹が空いているのか口元からは涎が垂れそうな位になっている。遅くなってごめんと謝り食べ始めれば皆も同じようにお腹が空いていたんだろう、黙々と食べていた。

「ユナ、これ…とっても美味しい」

「本当!?わああっ姫に褒められちゃったよやったー!!」「五月蝿いぞ、お前達!食事中位静かに出来ないのか」

「えーだって姫が褒めてくれたのに…」

ぶつぶつとノヴァに小言を言っていれば、鋭い視線を向けられ仕方なく食べる事に集中する。周りを見てみれば皆美味しそうに食べていてくれたから、何だかお手伝いだけど凄く嬉しくなった。やっぱり皆で食べるって、良い事だなあ…。

「ってあれ、ジョーリィは?」

「どうせまだ実験でもしてるんでしょう。ユナ、食事を運んできてくれますか?」

「えっユナ行っても良いの!?」

ガバッと勢い良くルカを見て訪ねれば、勿論良いですよ、と言ってさっき作った料理を手渡される。ラップがかかっている料理を大事に両手で持ってジョーリィのいる部屋を教えてもらう。

「ユナ、あまり深く追求しない様にして下さいね」

「どーゆー事?」

「ジジィに関わりすぎると、襲われちまうかもなァ?」

「ええっお、おそ!?」

思わず持っていた料理を落としそうになるも、気合いで持ち直す。襲われるって…ま、まあジョーリィは格好良いしミステリアスな所もありそうだしジョーリィになら襲われても……ってなしなーし!!!考えすぎてるって私!!

「っいやないない!!ユナは大丈夫だよきっと!じゃあ行ってくるね!!」

勝手に考えて恥ずかしくなって参りそうだったから、そそくさと退散する。後ろから変な視線を感じたけど、私は疚しい事なんて考えてないと視線を無視する様に扉を閉めてジョーリィの部屋へ向かった。





「ユナ、本当に大丈夫でしょうか…?」

「っねえねえルカちゃん!!」

「何ですか?パーチェ」

「これ、おかわり!!何かいつものより凄い美味しいからさ、もっと食べたいんだ!!!…あれ、ユナは?」

「あ、貴方と言う人は………ユナならジョーリィに料理を届けに行きましたよ。あとおかわりはないです!」

「えっそ、そんなあああああああああああ」







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