「…うぅ……此処、何処…?」

「あ!!目が覚めましたか!?」

「っわあああだ、だだっ誰!!?!」

勢いよく起きた場所はまだ見慣れてないベッドの上で。ふかふかの布団に包まれて、ってあれ?私いつ布団に入ったんだっけ?まだはっきりしない意識の中で声の方向に目を向ければそこにはいわゆる「お帰りなさいませご主人様」なメイド服を着た人達が3人いた。

「あら、失礼しました。ご紹介がまだでしたね」

「はへ、えええええ?」

「私はメリエラです」

「イザベラです!!」

「ドナテラです!」

「「「私達、メイドトリアーデです!!」」」

「は、はい……………?」

嵐の様な勢いにますます訳が分からなくなる。そのままジッと見ていれば「もう今日は起きないかと思いましたわ」とか「随分気持ち良さそうに寝てましたよー!!」とか「お腹は空いてないですか?」とかもうとにかく色々一辺に言われて頭がパンクしそうだ。

「待って待って!!あ、あの、ユナ」

「「「何ですか?」」」

「あっあはは……えっと、メイドトリアーデさん達はどうして此処に?」

「勿論、そろそろ着替えのお時間ですので」

「着替え………!?えええ私さすがに自分で着替えられる年齢だしって今も違う服着てる!!?!」

確かにスーツのまま寝るのはシワがついたり寝心地も悪いだろうけど、いやいやでもその前に起こすのが普通…………って。

「あ、れ?ユナ、いつ…寝たんだっけ」

「?昨日の夜からずっとですよ、昨日強盗事件があった後に運ばれたんです」

「運ばれた??…………あ!」

思い出した。たしか昨日強盗事件の時に力を使って、それで寝たんだ。まだ全然力を使いこなせないのに、昨日はよく二回とも成功したなあと自分でも思う。でもそのせいもあってか、今日はずっと寝てしまっていたみたいだった。

「そっか、まだ眠いなー………今何時…?」

「もうすぐ夕飯の時間ですよ!」

「うんうん了解、夕飯かー…………は!!?!」

冗談が好きだなあメイドトリアーデさん達はと笑いながらカーテンを開ければそこには日差しなんてものは殆どなく、暗くなってきた空が見えた。………まさかほぼ1日寝てるなんて、よくご飯食べなくて平気だったなー、あはは。

「わっ笑えない………2日目にして尚サボリ………!!!」

「大丈夫、ですか?」

「だ、大丈夫だと良いなー…あはは…………お腹、空いた…」

力が抜けた様に項垂れればメイドトリアーデさん達が優しく励ましてくれる。それに感動しながらありがとうと告げれば食事にしようとなって。せっかくだから今日は私も夕飯を作るのを手伝おうと言えば快く承諾してくれた。





「サボリなんて…大丈夫大丈夫!!ユナ、ご飯作るの得意だから任せて!!!」

「その前に、着替えましょうね?」

「忘れてた!!!」






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