「えーあの…たろっこって、何……?」

正直に告げれば、何を言っているんだと言わんばかりの視線を向けられる。ノヴァに至っては軽く頭を押さえてる位なのだから、私は今相当な事を言ってしまったのだろうか。

「……!?知らない、の?」

「うっはい。えっと、」

「フェリチータ。よろしくね」

「うん!よろしく!」

このアルカナ・ファミリア唯一の女の子、フェリチータが優しく話しかけてくれてホッと安堵する。彼女自身も実はあまり詳しくは分からないみたいなのだけど、この話に関してはぺーぺーの私よりははるかにマシだ。

「タロッコって言うのはね、ここにいる皆が使えるんだけど、私達は皆ある契約をして力が使えるの。…私は、まだ力を使いこなせてないんだけど」

「契約?力?」

「我々には、それぞれ違ったタロッコを持ち、アルカナがついているんです」

フェリチータは恋人たち
リベルタは愚者
ノヴァは死神
デビトは隠者
パーチェは力
ルカは節制
ダンテは皇帝
ジョーリィは月

「はー…」

「お前にも、ついているだろう」

「えっユナにも?でも契約なんてした覚え…」

「もしタロッコと契約してるなら、こんな感じで印がついてると思うよ?」

「シルシ?…………あっ!!!」

パーチェの拳にある印を見た瞬間、今までの謎が解き明かされた感覚が巡る。そして微かに熱くなる私のシルシが、共鳴するかの様に光った気がした。

「ある…左腕と、鎖骨の近くに」

-アルカナは、星と太陽-

「じゃあ、ユナはラ・ステラとイル・ソルだね」

「うん、そうみたいだね。私この力持ってる人に会った事なかったから、仲間って感じで嬉しい!」

「私も、女の子が来て嬉しい」

「…!ひっ姫!!」

「えっ?」

「フェリチータはお姫様だね!」

同じ女性とは思えない程に可愛らしく華やかなフェリチータは、まさにお姫様みたいに見える。うん、我ながら良い例え!!そう思ってうんうん頷いていれば「またお嬢様に近付くものが…っ!!」とかなんとかブツブツ言ってる人がいたけど、気にしないでおく!





「姫、チータって呼んでも良い?」

「?うん、じゃあ私はユナで」

「やったー!姫に名前呼ばれた!!改めてよろしくねチータ!」

「ああぁあそんなっお嬢様に抱きついてえぇえええ…!!」







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