新たな道の世界
*moの方で呟いた代物なので結構文が飛び飛び、会話ばっかり、CDの知識量なんであまり似てない可能性あり、続くかも分からない、良かったらどうぞ!
地面から伝わる冷たさが身体中に突き刺さる感じがする。冷たさが痛くて、拒絶するかのように熱い。私は一体、何故地面に倒れているのだろう…昨日は、確かにベッドで寝たはずなのに。
「………う…ぅ…」
「あれー?君、こんな所で倒れてたら襲われちゃうよ?大丈夫?」
「…だ…………」
「ん?小さくて聞こえないなあ…」
「だ………れ…」
ほぼ無意識に呟いた言葉は、声をかけた男性に向けられる。まだぼんやりとしていて、顔を上げる力も出ないから姿も見えない。
「ふうん…君、熱があるんだ。良いよ、家に入れてあげる。僕は優しいからね?」
「ちなみに、僕の名前はね―」
そう言った所で、私の意識は途絶えてしまった。朧気に感じたのは、痛みと熱さの中で誰かに優しく抱き抱えられ、響く靴の音。後は…………血の様な、匂い―。
「……あ……わ…たし…」
ふわふわとした感覚の中、ふと目が覚める。あれは夢だったのかと思った矢先、いつもと違うベッドの感触に違和感を覚えて身体を起こす。
「え………え…?此処…どこ……?」
キョロキョロと視線をさまよわせていると、不意に扉が開く音がした。
「あ、起きたんだー?へえ…良い瞳、してるんだね」
「あ、の………」
「何?」
「貴方は…誰、です…か……?」
目の前に現れた帽子を被った男性に、恐る恐る訪ねる。男性は一瞬きょとんとした後すぐに笑顔になって、「命の恩人を忘れるなんて、酷いなあ……?」と。ドサッと言う音と共に肩に力をかけられ押し倒される。
「…っえ………あ、の……?」
言いようのない不安と、嫌味な位に整った顔の近さに戸惑いながら告げればまたグッと力が込められ少し痛みを感じる。
「もしかして僕の事、もう忘れちゃった?」
綺麗な瞳が射抜く様に貫く感じがして、少し苦しくもなった。なんとか半分起きた状態の頭を回転させて考えれば、そういえば何となく、聞いた事があるような声で。
「!私を、家に入れてくれた、人…」
「せーかい、よく出来たね。偉い偉い」
「忘れてたら、さっきの場所に戻しちゃおうかと思ったよ」とサラッと言われ身体が強張る。さっきの場所に戻ると言う事は、宛てもない所にひとりぼっちな訳で。雰囲気的にさすがに分かる、ここは私のいた世界とは違う…つまり、今の私には彼しか頼れる人がいないのだ。
「…どうしたの?身体、震えてるよ?」
少し笑いながら髪の毛を触られて、とっさに彼の服を掴む。撫でる手が止まると同時に重なる視線に、意を決して「あ、あの…………助けて、くださ…い」と言えば案の定彼は疑問符を浮かべていた。
「……助けるって、具体的に何をして欲しいのかな」
「えっ…と……何処か、住める場所…あり、ますか」
とりあえずこれからの寝床を確保しようと訪ねれば、少しの間の後彼はニヤリと含み笑いをしてこう告げた。
「なら………僕達と一緒に住まない?」
「そんな事よりもさ、」
「(そんな事なんだ)はい……?」
「君の血、美味しそうな匂いがするんだよねー吸っていい?」
「……………は…?」
さっきまで私のこれからの場所を話していたと思ったら、突然にそう言われて目が点になる。
「あ、あの」
「なーに?君は質問が多いねえ」
「ち、血って、おいし、ですか…?」
意味が分からないまま訪ねれば、人にもよるけど私は美味しそうな匂いがするらしい、と。急かす様に首筋に触れる手に思わず勢い良く彼の手を掴んでしまった。
「もー抵抗なんて無駄なんだからさ、早く僕と良い事シようよ」
「っえ、あ、いや、えと…………なっ名前!おお教えて、くださ、い…!」
「は?」
もうがむしゃらに言えば予想外の事だったのか、手が止まる。私が気を失う前、多分名乗ってくれてたのだと思うけど、やっぱり私は覚えてはいなかった。ごめんなさい、と謝れば止まっていた時が流れるように、彼は笑いだす。
「あっはは!!あー面白いなあ……やっぱり助けてあげて正解だったよ。僕はね、ライトって言うんだよ。逆巻ラ、イ、ト」
「ラ、イト…さん。お、覚えま…した」
「うん、ありがと。あーあ、面白いけど拍子抜けしちゃったし…とりあえず、これから住むんだし皆に挨拶しよっか。じゃないと殺されちゃうかもしれないからね」
「こ、ころ…さ…れぅ…!?」
恐怖に固まっていれば大丈夫だと言うように頭を撫でられる。でもそれすらも怖く感じて、目をギュッと閉じて耐えていれば、また彼は笑った。
「大丈夫だって、僕は紳士だから今殺したりしないよ。それじゃ、……行こうか?」
「は……い………」
腕を取られて、皆がいるという部屋まで連れて行かれる。私は、生きていけるだろうか。
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