革命の昼(南雲と基山)


基山ヒロトと言う人物は非常に滑稽で非常に残酷で非常に可哀想な奴だと思う

オレ達はエイリアと言う舞台で宇宙人と言う滑稽な役を演じていたに過ぎない
その中でも基山ヒロトは完璧にその役をこなしていた
そう、全ては父の為
吉良ヒロトの為
基山ヒロトは宇宙人ではなく吉良ヒロトを演じていた
オレはそれが堪らなく滑稽に見えた

元々オレ達や自分のチームメイトとも距離を置いていた基山ヒロトは、時にまたもや滑稽にも
『俺を汚してくれ』と青白い顔で言った
声を出して笑った
エイリア最強が自らを汚してくれ、だと?
何の冗談だ 最低だな
そう罵っても基山ヒロトには通じないらしく黙って薄ら笑いをしていた
気持ちわるい

その後は覚えてない
ただ基山ヒロト、グラン、吉良ヒロト
どれだかよく分からない存在を滅茶苦茶にした気がする
それでもその場にいた奴は笑っていた
『もっと手を汚して、もっと!』




「アンタは痛いのが好きなのか?」
「そうだね…痛い方が安心する」
「気持ち悪ぃ」
「君はどうだい?痛め付けるのが好き?」
「いや、オレは汚すのが好きなんだ」


いつの間にかオレは共犯者だった
何の罪かは知らないが多分そうなんだろう
アンタとだったらまた演じてやっても良い、そう言ってやった
アンタはまた笑った
なぁアンタ本当は笑うのが好きなんだろ?
そう言おうと思ったが、ああ また口を塞がれた








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