君を好きになりたくなかった(風丸と半田)


※半田が風丸をボコってます
でも愛はあります



























オレはアイツが気に食わなかった

陸上部のクセにサッカー部に居座り続け、挙げ句世界にまで行きやがった
オレなんか選考にすら呼ばれなかったのに
まぁそうだよな オレみたいな普通なやつ、呼ばれる訳ねぇよな
一生懸命サッカーだけやってたのに助っ人からのやつに全部持ってかれちゃうんだぜ?
オレがどんなに惨めか
なぁ、お前にそれが分かるか?
分かるのか?



「風丸」
「ゲホッ…ぅ…あ……っ」

床に突っ伏すのはその風丸である
なぜそんな状態になってるか?
答えは簡単 オレが殴ったから

「なーんか言えよ、風丸さん」
「うっ…!ぐぁ…!?」
「痛いーとかやめてぇーとかさ〜言ってみろよ、良い子ちゃんの風丸さん」
「あ…ああ…ッ!?」

折る気はない、今は
極力目立つとこに傷は付けない 顔とか
服で隠れる腹とか二の腕とか
触るのもなんかやだから基本蹴るだけだし

「ほら、何か言って?風丸」
「ぅ…うぅ……ッ」
「言えよ、オレが命令してんの」
「……は、んだ…」
「なに?」
「あ…あのな……?」
「うん」


「オレは、どんな半田も…大好き、だ」


バカだ コイツマジでバカだろ
何でそうなんだよ
しかもキスまでしやがった
ふざけんなバーカ


「…世界の風丸さんはドが付くくらいマゾなんですねー」
「…半田にだけ、な?」
「………うっざ」
「半田、すき」
「オレは」
「嫌い、じゃないんだろ?」
「黙れよ」
「本当に好き」
「うざい」
「半田だから」
「黙れ」
「真一、」
「……っ………」


うるさい うるさい うるさい うるさい うるさい うるさい うるさい うるさい!!!!!

「ぐっ…あ…!!!」
「………オレはお前のそういうところが、大っ嫌いなんだよ……っ」




だからオレ、お前を殴っちゃうんだ
オレも お前のこと好きなのに