名前変換で奇跡夢主・唯我独尊夢主・咲き花夢主
それぞれを設定してからお読みくださいませ!









キーンコーンカーンコーン



鳴り響くチャイムは生徒たちを一気に安堵の気分に競り上げた。
ずっと机に向かっている堅苦しいことなんてしてられるかと。

終わったー!と第一に背伸びをしたのは教卓の目の前、一番前の席のアリババだった。


「おらアリババ、まだ授業終わってねーだろが」
「いいじゃないですか師匠!メシだー!名前、行こうぜ!」

『えぇっ?!ちょっ、シャルルカン先生の挨拶まだ…!』


挨拶をする間もなくガラッと教室のドアを開いて廊下を駆け出した名前とアリババ。
毎週水曜日、小学・中学・高等の全て揃ったエスカレーター式のこの学校で名前達にはとあるイベントがあった。

ったく、とため息をついたシャルルカンを背中に駆け出した先は購買であり、学生の中では戦場とも言う。
しかし剣道部の顧問であり、アリババ自身が師匠と慕うシャルルカンをあんな無下にしてよかったのかと名前は胸の内に思ったが、まぁ彼が笑顔なのでよしとしようか。


「おーいアラジン!モルジアナ!」
『あ、紅玉ちゃんたちも!』


既に賑わう購買前には見知った背中と面々が。


「遅かったじゃないか!」
「ワリーワリー師匠の話長くってよ〜」

『紅玉ちゃんと白龍くんのクラスも終わるの早かったんだね』
「えぇ。ジャーファル先生は絶対に時間内に終わらせてくださるもの」
「紫苑と青舜は白瑛先生の手伝いで遅れるらしいです」
『おっけー。モルちゃんは?』
「マスルール先生の体育だったので」
『なるほど』


まだ殆ど誰もいない購買でパンを買い漁る。
あと来ていないのは誰だろうと指折り数えながら自分の財布を取り出した。

今日は何にしようかな、と数あるパンの中吟味を繰り返すのは学生の楽しみの1つだろう。


『やーあ少年少女たち!パンだったらこのフルーツタルトパンがおすすめだぞー』
「うお!?アスタルテ先生!」
「せんせい!!」
『おーっとアラジン相変わらずおっぱいか。あとそっちのカニクリームロールも美味い』
「アスタルテ先生…随分お詳しいのね……」
『そーりゃあここのパンは食べ尽くしてるからねぇ』

「…そういえば…マスルール先生から聞きました。アスタルテ先生、ここの在学生だったって」
「そうなんですか?」
『げ、アイツなに人の個人情報バラしてんの…ったく後でシバこ』
『また校内に穴が空くんでやめてください…!』

『ジョーダンジョーダン。おばちゃんこれちょうだーい』


アスタルテは自分で選んだ選りすぐりのパンたちを抱えてお札を1枚購買のおばちゃんに渡した。
こうして並んでいるとアスタルテも生徒に見えなくもない。
しかし先生なのだから世の中末恐ろしいものだ。


『皆しっかり青春しろよー』


買ったばかりのパンを加えて職員室に歩いて行ったアスタルテと逆の廊下から入れ違いで紫苑と青舜が現れる。


「すいません、遅れました!」
『今の…アスタルテ先生?』

『…なんだかオススメのパン言うだけ言って行っちゃった』
「授業もさることながら嵐のようですわね」
「ヤムさんの理科とか科学よりマシじゃないかい?」
「……そうですね」


先生の個性が生徒のネタになるのは万国共通らしい。
小学部から高等部まで、幅広く集まる彼ら彼女らには話題の一貫性があるようでない。

昼食を用意してなかったものは購買で昼食を買い、全員で屋上へ向かう。

風の駆け抜ける開放感。
青空の下で友人たちと食べる昼食より格別なものはないだろう。


「っかー!やっぱ気持ちいいな!」
『確か屋上って開放禁止なんだけどね……まぁいっか』
「細かいこときにしちゃダメよ名前」


地面に座り込んで昼食を広げる。
買った昼食、持ってきた昼食は人それぞれ。


「相変わらず紫苑のサンドイッチは色とりどりね〜」
「紫苑…そのサンドイッチ1つ貰えませんか」
『…じゃあ帰りにチョコレート』
「それぐらい奢りますよ」
『……はい』

「うぉぉ!名前の弁当もすげぇぇぇ!」
「白龍さんのお弁当も…さすがです……」
「いいな〜1つおくれよ」
「俺のでよければいいですよ」
『あ、私のもよかったら』


「じゃあ遠慮なくいただこうか!」


「「「『え』」」」


この場にそぐわない声が1つ聞こえてきたような気がした。
名前の隣から聞こえたその声の主。

彼らは何度かこんな事に遭遇している。
また彼はここにいるのか。


「し……」
『シンドバッド理事長!』

「いやぁいつ食べても名前の弁当は美味いな」
『ありがとうござ……じゃなくて!』
「理事長、先程ジャーファル先生が探してましてよ?」

「あぁ知ってるさ。もちろんこの事は秘密だぞ!」


呑気に名前の弁当箱から卵焼きを摘んでいるのはこの学園の理事長、シンドバッドであった。
紅玉が、ジャーファルが探していたと言ったにも関わらずこの様子を崩す気配はない。


「お、そっちのサンドイッチも美味そうだな」
『ダメですよ私のは』
「だ、そうですよ理事長」

『食べるなら私のにしてください』


軽く諦めたように自分の弁当箱を差し出す名前。

すると名前の分の弁当がなくなると紅玉が名前におかずを与え。
すると紅玉の分が減ってしまうと紫苑が紅玉にサンドイッチを。
すると紫苑の弁当箱に白龍がこっそりおかずを置き。
すると白龍の弁当箱にモルジアナが………以下は省略。

こうして全員に回っていたスパイラル。



「「「「「「『『…………』』」」」」」」



思わず顔を見合わせて、次の瞬間には全員で吹き出して笑っていた。
屋上に響き渡る笑い声。

この長い昼休み、絶え間なく響く笑い声は一体どこまで続いていくのだろうか。





この青空の下に

(でも後で理事長絶対叱られるよね)
(…まぁいいんじゃないですか?)
(私は忠告したわよ)


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本当はジャーファル先生とかマスルール先生とかヤムライハ先生とか色々出したかった!(ダンッ!
夢主オールスターだったんですが唯我独尊夢主、アスタルテだけはどうしてもこんな形に…!
すごくどうでもいい設定ですがアスタルテは数学教師って設定です。
名前は生徒会長、紫苑は生徒会書記。
で、8人将は

ジャーファル→政治経済(理事長補佐)
マスルール→体育
シャルルカン→英語
ヤムライハ→科学・理科
ピスティ→生物
スパルトス→国語
ドラコーン・ヒナホホ→生徒指導とか委員会とか

こういう割り振り希望…!
ドラコーンとヒナホホさんは絶対にこういうポジでシン様を支えてるんだ…縁の下の力持ちなんだ…。

天音の妄想にお付き合いくださりありがとうございました!
驚く程とっても楽しかったです…!

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