※捏造あり
















今現在、母上やらジャーファルやらに追いかけられ、しかし俺が目指すは緑射塔。
情報通のピスティの言うことなら確かだろう。

ったく、アリババさんたち来てるなら教えてくれればいいのに…!
ま、多分俺がこうなることをわかっての上だろうけど。
滅多に会えない人たちに会いたいと思うのは人のサガってやつ。

皇子って言っても俺だって人の子。
会いたい人が来ているならその時に会いたいもんだ。

緑射塔の中を駆け回る俺に頑張れと声をかける文官やら、食客やら。
うんうん。俺は人に恵まれてるんじゃないだろうか。
(数人母上とジャーファルの息のかかった奴らもいたが何とか撒いた)



『いた!』



前方に見えた信号機カラー。
見間違えるはずはない。

俺が尊敬するその人達。


『アリババさん!!アラジン!モルさーん!』


背後に叩き付けた声に3人が同時に振り返ったのが見えた。
やっぱり綺麗な信号機。


「おー!ハルじゃねーの!元気してるかー?」
『元気だから今ここにいるんですよ!逃げて来んの大変で…』

「さっきシエルさんが探してましたけど…」
「そういうことだったんだね。お疲れ様」


バルバッドの王である、俺の憧れの人の1人。アリババさん

俺の頭をぐっしゃぐしゃに撫でたアリババさんの手は豆やらインクやらでお世辞にも綺麗とは言えない。
でもそれは努力の勲章なんだって、母上が教えてくれた。
アリババさんが俺ぐらいの、それも俺と同じ皇子だった時からこの人は努力家だったらしい。

だから俺はこの人を心から尊敬してる。


『いやぁ俺の事は他言無用で頼みます』
「シエルさん…かなり怒ってらっしゃいましたが」

『ちょ、蹴りはナシ!ナシ!ちゃんと後で仕事はしますって!』


モルさんの蹴りだけは喰らいたくない。
アリババさんの側近であり、マスルールと同じファナリスだと初めて紹介されたときは正直舐めてたけど、一回冗談だと思ってあの蹴りをケツに喰らった時は痔になるかと思ったレベルだ(マジで)

でも芯はしっかりしてて笑顔は可憐な人だと思う。


「シエルも大変だろうなー」

「この様子ならおじさんも尻に敷かれてるんじゃないかな?」
『うお、アラジンなんでわかんの』
「ハルくん様子を見てれば簡単だよ」
『……あちゃー』


アラジンは見かけは11歳ほどの子供なのだが実際はもっと長生きをしている、らしい。
話を聞けば昔から姿かたちが変わらないんだとか。

とは言っても俺にとっては今接しているアラジンがアラジンなわけで。
本人に許可を得て呼び捨てタメ語のフランクな仲だ。
あとヤムライハから聞いたがこの幼い容姿を利用し女性の…その、あの、む、胸を…!

しかしこの3人。ヤムライハとシャルルカンとマスルールの師弟だったと聞いたがそんな繋がりを初めて聞いた時滅茶苦茶驚いた記憶がある。


『3人共また手合せしてくださいよ!』

「それはいいけど、とりあえず逃げた方がいいんじゃないかい?」
『え?来てる?』
「…足音が2つ。多分ご立腹ですよ」

『………』

「ほら、こっちにいる間はいつでも相手してやっから!」
『絶対ですよ!』
「おう!」


ホントはもっとゆっくり話してたいけど、こればっかりはしょうがない。
俺の冒険はまだまだ続くぜ!




息子から見た世界情景3

(アリババくん!アラジンくん!モルちゃん!)
(ハルを見ませんでしたか?)

(見てないぜ)(見てないよ)(見てないです)




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アラジンの設定とかは完全に捏造です
シェヘラザートたんみたいに多分容姿はそのままなんじゃないかなーと思いながら
そしてモルさんはアリババ君と結婚させるか悩みましたがそれはもしかしたら不快感を持つ方もいるかもしれないので;
2人は側近と言う形にさせてもらいました

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