甘く優しくシン様に慰めてもらいたいです!日常の不安や嫌な事をシン様に癒して頂きたいヒロインを甘やかしてくださいw
寝起き気分は最悪。 スッキリしない頭を振り乱して無理にスッキリさせようとしてもその行為は軽い頭痛を催しただけで終わった。
名前(マギ主の場合も)が寝起きでスッキリしない理由は大体わかっている。 夢見が悪い、その一点に尽きる。 ウリエルのせいで何か意味があるのではないかと軽視するわけにも行かず、無駄に色々な思考を巡らせてしまうのだ。 伝う汗は明らかに健康的にかく汗ではない。
何に怯えているのだろう。
名前(マギ主の場合も)は我ながら変なものだと思う。 慣れたと思っていてもこの不快感には慣れないものだ。
『…なんで覚えてないの…?』
夢は本来眠りが浅い時に見るもの。 覚えていない方が多い夢。
ウリエルの見せる夢は鮮明で、時に見る夢は曖昧で。
その鮮明さも曖昧さも、すべてが恐怖を掻き立てる。 覚えていないという事がこんなにも不安になるものかと名前(マギ主の場合も)は汗をかいた自分に息を付いた。 無知程恐ろしいものはないのではないかと名前(マギ主の場合も)は時に思うことがある。
この世界に来てからもそうだったが、周りが自分の考えと違い過ぎるのだ。 世界観、感情、すべてのベクトルが違う世界。
夢という不安定なものにそんなものを求めるのもおかしいとは思うが、0の知識からの名前(マギ主の場合も)には何に対しても重きを置いてしまう。
「名前(マギ主の場合も)?」
『!?』
いつの間にか開いていた自室のドア。 びく、と肩を揺らし振り向いた先。
「大丈夫か、珍しく遅いから来てみたんだが…」 『…シンドバッドさん…』
「酷い汗だな…体調でも悪いのか?」
まだベッドの上から抜け出さない名前(マギ主の場合も)の額にシンドバッドは己の手を置いた。 逆の手は自分の額に置き、熱がないかを比べてみたが特に変化があるわけではなさそうだった。
しかし明らかにおかしい名前(マギ主の場合も)の表情。 何かあったのかと口を開きかけた時、シンドバッドの腹部に鈍い衝撃が走る。
「名前(マギ主の場合も)…?」 『……』
シンドバッドの腰に回った名前(マギ主の場合も)の腕。 珍しく密着してきた名前(マギ主の場合も)に動揺しながらも雰囲気はそんな甘い空気ではない。
「何かあったか?」
優しい口調でやんわりと名前(マギ主の場合も)の頭を撫でる。 寝起きで少し絡む髪を手で解きほぐしながらシンドバッドは名前(マギ主の場合も)に向き合った。 名前(マギ主の場合も)はしばらくの沈黙の後ぎゅっとシンドバッドの服を握りしめて口を開く。
『夢…』 「?」
『忘れるんです、さっきまで見てた夢を』
この世界にいたことすら夢だったではないかと思えてしまう。
「…なら俺がずっと隣にいてやるさ」 『………シンドバッドさん…』 「大丈夫、これは夢じゃない」 『…はい』
「今日は寝ててもいいぞ。………おやすみ、名前(マギ主の場合も)」
暖かい声と温もり。 名前(マギ主の場合も)の心に流れ込む熱はそのまま瞼に重みを感じた。
―ねぇ今目の前にいるあなたは夢じゃないよね。
そう思わせてくれるのもまた彼という光の存在。
温もりと夢と貴方と
(…しかし仕事抜け出して来たのにこれでは…) (……まぁしょうがない、ジャーファルに許しでも請うか)
------------------
寝子様リクエスト 日常の不安や嫌な事を甘く優しく慰めてもらう でした!
甘さよりも暗さが前に出てしまった気が…/(^p^)\ 多分この後ジャーファルが部屋にやってきますが名前(マギ主の場合も)の姿を見て怒らなくなります しかし後日叱られます(シンドバッドだけ)
リクエストありがとうございました!
_
|