文化祭前の準備は学生にとっては一大イベントだったりする。

「苗字さんペンキ持ってきてくれるー?」
『あ、うん!ちょっと待っててー!』

友達とワイワイ作業をすること。
ちょっとぐらい遅くまで学校に残ってても怒られないこと。
授業が潰れて文化祭の作業ができること。

そんな普段の学校生活では考えられないような非日常は楽しいもの。
部活動も活動を中止させられる今、生徒たちが全力を注ぐのは文化祭。


「苗字!ちょっとこっちの手伝いいいか?」
『いいよ!待ってて霧野くん、先にペンキ持ってちゃうから』
「あぁ」


教室前の廊下に出す看板やポスター。
もちろん出し物自体の準備も欠かすことはできない。
なので分野別で班の分担をしたりと準備前でもひと悶着ある訳だが準備も何事もなく進む訳はなくて。

ペンキを塗ったばかりの看板を踏まないように足元に注意してペンキを運ぶ。
手伝いを求めた霧野の前を通り、ペンキを両手に名前が一歩踏み出した。


途端


ツルッ

『へっ?』
「「「「あ」」」」

ガシャァアァァァン

「「「うおぉおおおおお!?」」」
『きゃぁああああ!!』


ペンキで床を汚さないように敷いてあった新聞紙が予想外の滑りを見せ。
見事に滑った名前(マギ主の場合も)が持っていたペンキ(新品)がこれまた見事に宙を舞った。


「くそっ!」
『霧野くん!』

パシッ…

「よしっ……」


バシャァアァァ


『「「「……」」」』


2つ舞ったペンキのうち、1つを霧野が掴み、やったと思った瞬間に霧野の頭に降り注いだのは真っ青なペンキだった。

教室中が謎の沈黙に包まれる。
その中で1人ペンキ並に顔を真っ青にした名前(マギ主の場合も)が慌てて霧野に駆け寄った。


『霧野くん!だ、大丈夫!?』
「…いや、まぁ…怪我はないが」
『でも大変!洗いに行かないと…』
「あぁ…さすがに洗いに行ってくる」

『ごめんね!私も付き添うか……』

「「「「あ」」」」

『きゃぁああああ!!』


まさにデジャヴ。
さっき見た光景が今再び目の前で再生されたようだ。
新聞紙が敷いてあるのはわかっていたのだが、霧野の事の方が頭を優ったらしい。

再び新聞紙を踏んづけた名前(マギ主の場合も)が滑って突っ込んでいってしまったのはペンキの山であった。
けたたましい音を立てて缶に突っ込んだ名前(マギ主の場合も)。


「おい苗字!大丈夫か!?」
『霧野くん……』

「…俺よりもお前の方が洗いに行ったほうがいいな」
『うん……』


霧野よりも数段ひどい惨劇にあった名前(マギ主の場合も)と霧野は、2人ペンキを洗い流す為揃って教室を出ていった。
もうむしろ、名前(マギ主の場合も)の付き添いに霧野がついていった感じになった。

しかし、何よりも大変だったのはそのあとの教室の片付けであったことを名前(マギ主の場合も)達は知らない。




文化祭ハプニング

(それにしても…派手にやったな)
(うぅ…霧野くん巻き込んでごめんね…)
(いや、別に構わないさ)

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soraさんリクエスト
お相手霧野で内容を文化祭でギャグ
でした!

実はこの話の夢主ちゃんはsoraさん宅の琴葉ちゃんなんですが皆様も普通に楽しめるような夢主ちゃんなのであえて記載しませんでした^^
口調間違ってたらすいません…!
いつもsoraさんにはお世話になっています(イラスト的な意味で)
そのお礼になればいいと思うのですが…!

リクエストありがとうございました!

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