ピスティと町に下りようと前々から嬉々として話していた名前(マギ主の場合も)が、どうにも朝から浮かない顔をしている。
なにがあったのかと思えば、ピスティが複数いる彼氏と約束をダブルブッキングしてしまったらしい。 ちゃんと予定ぐらい確認しなさいよ、とヤムライハに怒られた後にピスティはごめん今度何か奢るから!と今日の予定を流してしまったのだ。 新しい服を買う予定だったが、名前(マギ主の場合も)はあまり服の事もわからないからと結局いつもの服を着てシンドバッドの元に来たのが先程の出来事。
「じゃあ俺が見立ててやろう!町に下りるぞ!」 「いえ、私が行きますのでシンは仕事してて下さい」 「ジャーファルさんじゃ名前(マギ主の場合も)ちゃんの見立てはできないんじゃないですか?俺が行きますって!」 「先輩もサボりたいだけっスよね」 「うっせ!お前も服の見立てはできねーだろ!」
『…あれ』
なんかデジャヴを感じてしまったのが今のこの事態である。
シンドバッドがいち早く自分が行く、と立候補。 そんなこと政務官としてさせまいとジャーファルが。 ジャーファルでは役不足ではないかとシャルルカンが。 それは名目でサボりであると指摘したマスルールが。
互いが互いに意見を被せ合い機会を潰しあっている。 前にもこんな光景がなかったかな、と名前(マギ主の場合も)は思ったがあえて思い出すことを止めた。
「……これでは埒があかんな」
シンドバッドがなぜこんな事態になったのかを思いため息をつく。 全員名前(マギ主の場合も)に過保護なところはあるがまさかこんな論争まで勃発するとは思いもしていなかった。
正直自分以外の男と買い物など、というのがシンドバッドの本心。 しかしここで引いては自分意外の誰かが名前(マギ主の場合も)と外出という事になってしまう。
『あの、別に私は違う日取りになっても構わないんですけど…』
「…そうですね。それが一番円満ですか」 「えー!?名前(マギ主の場合も)ちゃんと買い物ー……」 「先輩1人で行かすぐらいなら俺も付いて行きますよ」
ジャーファルの案が通ろうとシャルルカン以外の全員が納得をした。 しかし、シンドバッド的にはそうも行かない。
男と買い物に行くより女と行った方がいいのは確かだが、あくまでもシンドバッドの目的は自分と2人で名前(マギ主の場合も)と町へ繰り出すことだ。
「名前(マギ主の場合も)!」 『え?きゃぁ!』
「あ!!!!」
慣れた手つきで名前(マギ主の場合も)を抱きかかえ、ジャーファルがそれに気付くよりも先に、シンドバッドは名前(マギ主の場合も)を抱き抱え窓辺へ足を掛けている。
『し、シンドバッドさん!』
「仕事は帰ったらする!」 「そう言ってやったことないでしょう!」 「今回は別だ!」
良い笑顔で笑ったシンドバッドはそう言って颯爽と城を抜け出していった。 マスルールに言えばすぐに捕まえることもできたが、シンドバッドのあまりの笑顔に早々と止めに行くこともできなかった。
「王サマってば…まったくいいトコ取りだぜ」 「…はぁ」
帰ってきたら名前(マギ主の場合も)は良いとしてシンドバッドと、あとピスティに灸を据えようとジャーファルが思っていたことを2人は知らない。
この気持ちはただの独占欲
(シンドバッドさん!いいんですか!?) (いいんだ。名前(マギ主の場合も)の為だからな) (…!)
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夕美様リクエスト 奇跡夢主、男性軍でヒロイン取り合い、でも最後はシンドバッド落ち でした!
名前(マギ主の場合も)に対してはあまり露出の多い服を着させない傾向の王様はきっとこの後普通のセンスで服を見立てるでしょうw 服のセンスはシャルルカン≧シンドバッド>マスルール=ジャーファルな気がします またそんな話も書けたらいいなーと思います^^
リクエストありがとうございました!
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