部活の終わった帰り道。 雷門サッカー部一同はマネージャーを含め皆で帰路についていたわけだが。 だいたいこの帰り道、名前(マギ主の場合も)を始めとするマネージャーの意見も取り入れたりする。 練習中はそれ程傍から見ていて気付くことも多いという事だ。
「名前(マギ主の場合も)先輩、あの時の俺のドリブルどうでした?」 『うーん…、あの時は天城先輩のブロックを抜けれたけど横に倉間くんが上がってたからそっちにパスしても良かったかもしれないね。もっと視野を広く』 「はい!」 『信助くんはもう少し走り込んだ方がいいかも。近いうちに葵ちゃんにメニュー私得から』 「はい!」
「流石名前(マギ主の場合も)先輩…」 「スキルが違うよな」
1年生を特に強化しようとする名前(マギ主の場合も)的には、全員の家での自主練メニューを考えることまでしていた。 サッカー経験者である名前(マギ主の場合も)にとってマネージャーではあるが選手にも近いもの。 必然、この帰り道は1年と関わることが多い名前(マギ主の場合も)だったが、それをよく思わないものがここに1人。
「…で、霧野先輩は嫉妬ですかー」 「うるさいぞ狩屋。そして嫉妬してない」
狩屋は1年生の群から1人ススッと抜けて行って後ろを歩く霧野の元へ茶々を入れに行った。 ニヒルに笑う狩屋に軽く苛立ちを込めたひと言を放ったがそれは余計に狩屋の悪戯心に火をつけたようだ。
「べっつにサッカーの話なんですから嫉妬なんてしなくても」 「…名前(マギ主の場合も)の仕事なんだ。それと嫉妬なんかしてないって言ってるだろう」 「素直じゃね―のな先輩」 「ほっとけ」
「んじゃー俺ら、道あっちなんで後はイチャイチャしといてくださいよ!」 「狩屋!」
茶化すだけ茶化して道の分岐点で走っていった狩屋。 その背中に声を上げたが既に狩屋は前方の天馬たちの元に追いついており、狩屋がそれに反応することはなかった。
この帰り道で最後には名前(マギ主の場合も)と霧野の二人きりになる。 勿論知った上で狩屋は茶化しにかかった訳だが。 全く、とあの生意気な後輩はどうにかならないものかと思わず息を付いた。
『さっきのマサキくんと何言ってたの?』 「……いや、なんでもない」
『?』
首を傾げた名前(マギ主の場合も)。 流石に嫉妬していただなんて面と向かって言うことはできない。
「それより、あいつらまだまだ伸びるか?」 『うん!まだまだ伸びしろたっぷりで見てる甲斐があるよ〜!』
嬉々として話す名前(マギ主の場合も)の様子を見てこちらまで嬉々とした気持ちになってくる。 まぁ、そういう所が好きなわけなのだが。 しかし後輩と言えど、やはり他の男の名を聞くのは複雑なことこの上ない。 別に相手側にも名前(マギ主の場合も)にもそういう気がないのは分かっている。 だからこそこの気持ちの発散の場所がわからないだけだ。
『蘭丸?』 「あ、あぁ、悪い。ちょっとボーっとしてた」
顔に出ていたのか知らないが名前(マギ主の場合も)はえい、と霧野の額をつつく。
『…蘭丸、心配しなくても私は蘭丸ばっかり見てるよ』
「え?」 『だからね、意外と私も必死なんだから』
見なきゃいけない後輩より、蘭丸ばっかり見ちゃうんだから。 そう言って頬を染める名前(マギ主の場合も)が可愛くて。 誰もいない帰り道で名前(マギ主の場合も)を抱きしめ霧野は愛の言葉を囁いた。
視線に愛されて
(そして愛を囁く)
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レイ様リクエスト 1年生達か神童とサッカーの話で盛り上がる夢主に蘭丸が嫉妬する でした!
夢主との絡みが少ない感じが…; でも蘭丸は後輩の成長を見守りたいからそういうことに口出しはしないように思います そういう男前な辺りがいいんだと思いますがね!
リクエストありがとうございました!
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