運動をしたら食べる。食べたら運動をする。

このサイクルは人の欲求を満たすために行われる訳であって半無意識の行動だろう。
しかし片方を怠ればどうなるか、それは自分が1番わかってるだろう。


『…お腹ぷにってる…!』


いくら男装しているとはいえ女としてはショックだ。
摘める…お腹が摘めるぞ…!と半ばヤケ気味に体重計で呟いたのは昨日の話だった。






「名前(マギ主の場合も)…今日は随分熱心だな」
『今すぐ腹部に住まう悪魔を撃退しないと駄目なんで』
「?」


この危機感はある意味男にはわからないことだろう。
体脂肪のつき方など、男女の違いはあるものの名前(マギ主の場合も)の焦りは名前(マギ主の場合も)にしかわからない。

いつもより走り込み、ドリブル、シュートに打ち込む。
連携プレーもいつもよりボールに食らいついて行った。
これしきの事ですぐに痩せるとは思っていないが自分には動く道しか残されていないのだ。
それしか…それしか痩せる道はないのだから。


「名前(マギ主の場合も)ってば休憩中も走り込みだなんて…」
「随分熱心だよね」
「何かあるのかしら?キャプテン知りませんか?」

「…なんでも腹部に住まう悪魔を撃退するとかなんとか」
「「「は?」」」

「…ふーん」


天馬、信助、葵、拓人の会話を小耳に挟んだ南沢。
名前(マギ主の場合も)の言う悪魔の意味をなんとなく察した南沢は走り込みから水分補給にベンチに戻ってきた名前(マギ主の場合も)に近付いて行った。


「名前(マギ主の場合も)」
『…なん、ですか?』

「お前、ダイエットしてるだろ」


南沢の確信を付く言葉にギクゥ、と荒い息を整えながら胸に突き刺さる何かを必死に制する。
―何故バレた、というかこの人鋭い…!
そのことに関わることは神童に遠回しに言っただけだった。
まさかそれを小耳にはさんだ程度でバレるとは。

タオルで汗を拭き、水分補給を終わらせた名前(マギ主の場合も)の顎をクッと掬い、南沢は環的に笑う。


「知ってるか名前(マギ主の場合も)」
『……?』

「キスって一分間で6キロカロリー消費するらしいぜ」
『は!?』
「ダイエット手伝ってやるよ」


ちょっと待ったと拒むよりも先に近付いてきた南沢の顔が近付いてきて思わず目を固く瞑った瞬間。


「あら南沢先輩そんなに口が寂しいならスクイズボトルで水分補給でもどうぞ!」

「ぐっ!?」
「南沢さん何名前(マギ主の場合も)に手出そうとしてんですか」
「オイ誰か円堂監督呼んで来い!」

「はぁ!?霧野お前いい加減に」

「しませんよ」
「お前ら先輩に対する態度ってモンが」
「あるわけないですよね!」


『……おおう……』


予想以上に袋叩きにされかねない南沢の姿に名前(マギ主の場合も)は思わず一歩引いてしまった。

こんなことにならないようにさっさと痩せてしまおう。
改めて心に決めて惨劇を背に名前(マギ主の場合も)はまたロードワークに行こうとしていた。





何をするにも計画的に

(帰って来てからグランドに南沢さんの姿はなかった)
(何があったかは…まぁ聞かないでおこう)




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心愛様リクエスト
青春番外で南沢さんが夢主襲おうとして皆からフルボッコ
でした!

ナチュラルエロの南沢さんなら←
番外なんでもう女って知れてる設定でございます
なんやかんやで一番酷いことしたのは葵ちゃんじゃないかとw
スクイズボトル口にいきなり突っ込まれたらそれなりに辛いw

リクエストありがとうございました!

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