肌寒くなってきた今日この頃。 本当なら夏のうちに切ろうと思っていた髪の毛は思いの他伸びてしまって今では腰ぐらいまで伸びてしまっていた。 タイミングを完全に逃してしまった。 流石に邪魔になってきた髪は切るのに悩む。
アイドルコースでない作曲家コースの私に飛び抜けた容姿は必要ない。 作曲に打ち込んでたらいつの間にか夏が終わってただなんてねぇ…。
『髪の毛切ろうかなぁ…』
机に突っ伏しながら髪を弄り、ぽつりと呟いてみた。
「なに、名前(マギ主の場合も)髪切んの?」 『うーん…そろそろ邪魔だし、切ろうかなって』
パートナーの来栖くんはアイドルコースに恥じない容姿をしているし、そりゃあ髪にも気合を入れているのだろう。 来栖くんは帽子やヘアピンなどの小道具まで駆使するのが上手いしオシャレだし。 私なんかが隣にいるのが若干申し訳なくなるレベルだ。
『どういう髪型が似合うと思う?』
「そうだな…まず名前(マギ主の場合も)はもう少し前髪あってもいいと思うぞ。邪魔ならピン貸してやるし」 『なるほど…流石来栖くん…』
他の人の事もわかるのか…。 それともオシャレとかにあまり気を使わなかった私のレベルが低すぎるのか。 どちらにしても来栖くんのセンスは抜群だと思う。
髪触っていいか、と聞かれていいよ、と答えると私の手入れしていない髪に来栖くんが触れた。 別に触られて嫌な気はしないしむしろ気持ちいい。
「…名前(マギ主の場合も)、手入れしてなくてこれか?」 『うん』
「…切らなくても十分綺麗だろ」 『え?毛先とかやばくない?』 「全然」
嘘だーと来栖くんに茶化して見せる。 最低限の事しかしてない私があの来栖くんに褒められるレベルなわけがない。
「……でも、名前(マギ主の場合も)はそのままが一番似合ってると思うぞ」 『え…』
「俺、今の名前(マギ主の場合も)が好きだし」
顔を上げるとはにかんだ来栖くんの顔。 恥ずかしかったのか少し赤くなった顔がさらに私の羞恥心までも煽った。
あぁもう、恋愛禁止なのに来栖くんってばこういうこと言うんだから…!
私まで赤くなってきた顔を思わず両手で頬を覆って隠す。 神宮寺くんに2人して何してるんだいって茶化されたけど私の心はそれどころじゃないんです。
来栖くんが触れていた私の髪がサラリと机から滑り落ちて行った。 しばらく髪はこのままかな。 なんだかこのままにしてたくなっちゃったしね。
『私、しばらく髪伸ばすことにする』 「…いいのか?」
『いいの』
この髪を切るのは、貴方への恋が実った時にしたいかな、なんて。 普通とは逆の事を考えていたら、丁度私の長い前髪が風に揺れた。
まじない逆の願掛け
(逆だって面白いでしょう?)
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心和様リクエストの翔くんでした!
私は失恋して髪切ったことあります← 別に切るほどでもなかったのに切りに行ったからえらいことになりました←
リクエストありがとうございました!
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