読まなくても分かる仕様にはしてありますが100000HITリクエスト「奥手な私と彼」の夢主の姉です。














『全く…こうなる前に整頓しなさいよ…』


自分の時間をを蹴ってまで委員会活動。
テスト前という部活のない時期を狙っての委員会というのは本当にいやらしい。
部活より学業に優先しなければならない、学生の辛いところだ。
図書委員会に所属している名前(マギ主の場合も)は早く帰りたい衝動を抑えながら本の整理を任されていた。

可愛い妹が家で待っているというのに。
ついでに勉強を教える約束もしていたので切実に早く帰りたいのだが、学校はそうはさせてくれない。

サッカー部は月山国光中学では有名な部活の1つではあるが勉強となれば見方は変わってくる。
先輩後輩関わらず補習は回避したいもの。
サッカー部マネージャーである名前(マギ主の場合も)もそれは同じである。

早く帰るためにも、と背表紙に付いた番号と記号を頼りに本を仕分けて行く。
別に細かい作業は嫌いじゃない。
ただ仕事を押し付けられるのが嫌いなのだ。


『えーっと…あ、あったあった』


どんどん棚にある番号違いの本を集めて行った。
腕いっぱいに積んだ本を机に置いてまた本棚を見て回る。

この作業を何度繰り返したころだろう。
女の身長では少し手が届かない高い本棚。
そういう人のための台も用意してあったが、これがまた使い勝手が悪いことで有名なのだ。


『ま、しょうがないか』


足がやたらグラグラしている台を本棚の前まで移動させ、その台の上に乗った。


『こういう所ぐらい先生がやっといてくれてもいいのに……それか男子生徒にやらせなさいよ……』


愚痴を吐いてもしょうがないのだが、やりようもない怒りの捌け口はそれぐらいしかない。
台に乗っても届きにくい高い本棚の上に手を伸ばす。
そこにあるのに手が届かないというのもまたどうにも腹が立つのだ。



『取れた……っあ!』



本を取り、歓喜の声を上げた瞬間。
ガタッと嫌な音と共にグラついた足元がバランスを崩させる。

思わず本も取り落とし、落ちる!と確信して目を瞑った。
頭にしろ体にしろ、どこからをぶつけるのを覚悟して身を固くした名前(マギ主の場合も)だったが思っていた衝撃はいつになってもやって来なかった。


『あれ…?』

「大丈夫か」
『…え、あ…兵頭…?』


恐る恐る目を開いてみると、目の前に広がっていたのは同じサッカー部の兵頭司だった。
抱き留められていた自分の体。
兵頭は片手で軽々しく名前(マギ主の場合も)を受け止め、しっかりともう片方の手で本も受け止めていた。

ありがとう、と礼を言い受け止めてもらった本を受け取る。


『なんで図書館に?』
「俺は試験勉強は図書館でしている」
『あー…なるほどね』

「それより名前(マギ主の場合も)も何をしていたんだ」
『委員会よ。好きでこんなことしないわ』


名前(マギ主の場合も)の言葉に納得しあぁ、と声を漏らした兵頭だったが、兵頭は自分の荷物を机に置き名前(マギ主の場合も)の元に戻ってきた。


『兵頭?』
「名前(マギ主の場合も)では上の棚の本は取れんだろう」

『え?』

「手伝うと言っている。その方が早く終わるだろう」
『あ……ありがと』


自分よりも数段高い兵頭を見上げ、兵頭の横顔に思わずて見惚れてしまった。
抱き留めた腕もその横顔も。
今まで普通の友達と思っていた2人の関係はあっという間に変わってしまうこととなる。

ちなみに、周りからはウザいと思われる程に。




転機は唐突に

(そして後にバカップルと呼ばれることになることを)
(2人は知らない)



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撫子様リクエスト
兵頭で「奥手な私と彼」の夢主の姉「奥手な私と彼」の夢主の姉
図書委員の仕事で本の整理をしていたヒロインは自分の身長では届かない所に本を直そうとした時にバランスを崩してしまい、怪我をしてしまうと思ったが、ギリギリで兵頭に助けられ…
でした!

エピローグ云々の話はすいません、割合させていただきました。すいません

リクエストありがとうございました!