誠凛バスケ部の本日の練習メニューは終了。
監督であるリコの元ばっちりシゴかれた選手達はクタクタになりながらも片付けを始める。

その中の唯一の華にして、誠凛唯一の女子選手である名前(マギ主の場合も)も例外ではない。
滴る汗をタオルに押し付けながらバッシュを履き変え、ボールを倉庫に運び入れる。


「お疲れ様です」
『ん、テツヤくんもお疲れ!今日もパス絶好調だったね』
「そうですね…確かに感覚はいい感じだったと思います」


肩を並べて話をする黒子とは中学からの仲であり、幼馴染でもある。
そして互いのプレイスタイルは熟知し合っている為調子が悪ければ理解できる部分もあればアドバイスもし合える様な仲だ。


「名前(マギ主の場合も)、帰りにマジバに行きませんか」
『マジバ?あ、いいね!ちょっとお腹減ったし』
「じゃあ着替えたら校門前で…」

「名前(マギ主の場合も)っちー!」
「『!』」


中学の頃は毎日のように聞いていて聞き慣れた、しかし高校に入ってからはあまり聞かなくなった彼の声。
体育館の入口に存在感を醸し出す整った顔立ちが見えた。


『涼太くん!』

「黄瀬テメェ何しに来やがった!」
「残念ながら今日は火神っちには用はないんスよー」


我が物顔で体育館に踏み入り、火神を横目に通り過ぎ黒子、名前(マギ主の場合も)の前にやって来た黄瀬。
また黒子の勧誘でもするのか、と思いきや黄瀬が手を盗ったのは名前(マギ主の場合も)の手だった。


「名前(マギ主の場合も)っちにデートのお誘いでも」

『わ、私?』
「そうっスよ。今日監督が会議とかで早く練習終わったんで」
「この前オープンした駅前のカフェ、割引チケットもらったんスよ!」
『あっ!そのカフェ知ってる!』

「…黄瀬くん。名前(マギ主の場合も)はさっき僕とマジバに行く約束したんで次回にしてください」
「えー!?折角来たんスから俺に譲ってくれてもいいじゃないっスか」
「嫌です」


黒子と黄瀬が名前(マギ主の場合も)を挟んで会話をする中、呆れた様子で火神たちは先に部室へと戻って行っていた。


「なんなら1on1でどうッスか」
「僕が不利です」

「じゃあ名前(マギ主の場合も)っち、どっちかいいっスか?」
『え?』


なんだかんだで口を挟むことができなかった時に話を振られ、思わず変に声を上げる。
選択肢はマジバとカフェ。そして黒子と黄瀬。

僕ですよね?俺っスよね?

差し出されたどちらの手を取るかは名前(マギ主の場合も)の自由だが、実は名前(マギ主の場合も)はの心はもとより決まっていた。


『んー…やっぱり今日はテツヤくんとマジバ行きたいかな』

「えーっ!?」
『だって先に約束しちゃったし』


涼太くん、また誘ってね!と黄瀬の背中を押して、名前(マギ主の場合も)は着替えの為に体育館を出て行った。


「黄瀬くん…残念でした」
「…黒子っちがそれ言うんスか……」

「僕の勝ちですから」


名前(マギ主の場合も)と帰路デートをするのは黒子に軍配が上がった。
あまり表に出さない笑顔を出してまで嬉しそうな黒子に、黄瀬はため息をついて1人帰路に着いた。

さぁ2人でいざ行かんマジバへ。





2択の選択答えは1つ

(テツヤくんお待たせー…あれ、黄瀬くんは?)
(泣きながら帰りました)
(え?)






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美由紀様リクエスト
誠凛男子バスケ部女子選手で黒子の幼馴染み、黒子と黄瀬で主を取り合い黒子落ち
でした!

黄瀬が大体不憫になるのがスタンダードな気がしますw
黒子>>超えられない壁>黄瀬みたいな…ね!←

リクエストありがとうございました!

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