慣れ、と言うものは世の中において大事なものであるが、人はわかっていてもなかなか慣れないものだってある。 それがができれば苦労はしないのだが、毎度毎度そう思っては逆に空回りしてしまったりもするもの。 名前(マギ主の場合も)は今まさにその状態に陥りつつあった。
「そういや名前(マギ主の場合も)、明日試合じゃなかったか」
南沢の自覚したくなかった言葉にビクゥ、と名前(マギ主の場合も)の肩が跳ねる。 図星か、とわかりやすい反応だなと思いながら南沢は手にしていたポテチを一つ食べた。
『そうですよ試合ですよまたミスしたら私…!』 「別にいつも通りにやればいいじゃねーか」
『それが出来たら苦労はしませんっ!!』
頭を抱えて青ざめる名前(マギ主の場合も)がなんでそんな自信がないのか、気楽にポテチを咀嚼する南沢には理解ができなかった。 名前(マギ主の場合も)は1年にしてソフトボール部のレギュラーだ。 故に後ろめたさがあるのかいつも試合前はこうも自信がない。
普段のふわふわした雰囲気はどこに行っているのか。 まぁ緊張に押しつぶされて普段の自分が出てこないのだろうが。 高校2年。サッカー部のエースを守り続けている南沢にはわからない気持ちである。
「普通でいいんだよ普通で」 『…でも…』 「緊張するなら緊張しないようにすればいいだろ」 『………いったいどうしたら』
「リラックス」 『無理です』
さらっと言う南沢にぴしゃりと言い返す。 だからそれをする方法を具体的に言えというのに。
「名前(マギ主の場合も)普通に上手いんだろ。なら胸張ってプレーすればいいんじゃねーの」
確かに、名前(マギ主の場合も)は伊達に1年生でレギュラーではない。 そのプレーを見込まれてレギュラーになったのだから人並み以上には上手いのだから。 逆に謙遜する理由がないと南沢は言う。 誰かに妬まれているわけでも、苛められているわけでもない。 むしろ認められているからこそなのだが名前(マギ主の場合も)にはそうも思えないらしい。
『怖いですー……』
「ったく…世話のかかる奴だな」 『んむ』
手に持っていたポテチを名前(マギ主の場合も)の口に突っ込み、驚いたものの名前(マギ主の場合も)がもぎゅもぎゅとそれを消化する。
「お前はお前らしくいればいいんだよ」
ポン、と頭に手を置き南沢はフッと笑う。 自信家の南沢から少し、その自信を貰うことができたかもしれない。 さっきよりも落ち着いた胸の動悸。
『…はい』
「勝ったら、俺にご褒美な」 『な、なんでですか』
「俺のおかげで緊張しなくなただろ?」
また1つ名前(マギ主の場合も)の口に放り込まれたポテチ。 その半分を咥えてバリッと自分の口に含んだ分を咀嚼し、南沢は自信有り気にまた笑った。
明日の試合、勝ちたいけどある意味勝ちたくないかも。 名前(マギ主の場合も)は複雑な気持ちで明日の試合に臨むことになるのだった。
勇気のおすそ分け
(…買っちゃいました) (んじゃ、早速) (むむむ無理です!)
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巫女様リクエスト 南沢高2設定で高1ソフト部で大会が近い彼女を応援する話 でした!
南沢さんは上の先輩の事考えなさそうですよねーと思って そして揺るがない自信。ちなみに根拠はない←
リクエストありがとうございました!
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