※若干でありますが2ちゃんネタ注意
『シュウちゃんシュウちゃん、白竜に"リア充爆発しろ!"って言ってみてよ』
「りあじゅう爆発…?」
『うん』
携帯電話片手にシュウちゃんに冗談半分で言ってみた。
白竜もどうせ意味なんかわからないでしょと馬鹿にするのと同時にシュウちゃんを知らぬ間にからかうという私の完璧な作成。
さすがシュウちゃんというかシュウ様と言うか。
言うだけでいいの?と言われたから言うだけでいいよと言ったら木の上から飛び降りて、木陰で休憩をしている白竜の元に歩み寄るシュウちゃん。
「白竜ー」
「なんだシュウ」
「りあじゅう爆発しろ」
「…は!?」
『ぷッ…』
思わず木の上から吹き出してしまった。
その音に白竜が私の存在場所を特定してしまったのかギラリと光る眼がこっちに突き刺さる。
「名前お前か!」
『さぁなんのことー』
「とぼけるな!シュウがそんな言葉を知ってるはずがない!」
「白竜"りあじゅう"の意味知ってるんだ?」
「不服ながらな!」
白竜がリア充の言葉の意味を知ってたのは意外だったけどそれはそれで面白いしアリとしよう。
シュウちゃんがずっとクエスチョンマーク浮かべてるけど、意外に腹黒いシュウちゃんは楽しんでいる気がする。
今にも木に登ってきそうな白竜を尻目に私は回りの木を飛び移って逃走。
きっと後からシュウちゃんも追って来てくれるだろう。
笑いながら逃げたもんだから後で白竜に叱られそうだけど。ま、いっか。
「名前、みーつけた」
『あ、シュウちゃんお帰り』
あっという間に追いついたシュウちゃんが隣に腰を下ろす。
「でさ、結局りあじゅうってどういう意味なの?」
『あぁ、リア充はリアルが充実してるって意味だよ』
「ふーん……現代の言葉ってよくわからないや」
『あはは、まぁ知らなくていいかもね』
「他にはその変な言葉ってないの?」
『他?言い出したらキリないよ?』
2ちゃん用語はそれほど山ほどあるし言葉だけで伝えるのは限界がある。
『別にアンタの為に教えてあげるんじゃないから!』
「…名前?」
『っていう、ツンデレの王道』
「つんでれ?」
『なんていうか、あまのじゃくって言うのかな…素直になれないのがツンデレっていうの』
「じゃあ好きっていう時はどう言うの?」
シュウちゃんが純粋に聞いてきてくれるからなんだか面白い。
どうせならノリノリで言ってやろうと思ってこほんと咳ばらいをした。
『…あ、アンタの事……嫌いじゃないわよ…?』
できるだけツンデレを気取って言ってみようと意気込んでみたけどなんだか自分に合わない気がして若干恥ずかしくなってきた。
徐々にやってくる羞恥心に顔を背けようとしたらシュウちゃんに火照り出すその頬を掴まれる。
え、と思う間にその口をシュウちゃんに塞がれて。
「うん。面白いけど、やっぱり名前には普通に好きって言ってほしいな」
『…え』
「そんな言葉なんて知らなくても生きていけるよ!」
それを言っちゃったら2ちゃんなんて存在しないんだけど。
でもシュウちゃんの笑顔を目の前にして手に持っている携帯電話を弄る気にはなれなかった。
恋がくれた戯言
(…リア充の仲間入りだぁ)
(?)
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