※マギのコミックス8巻発売記念のペーパー漫画ネタです
『ドミノ?』
「あぁ。8巻発売記念らしいぞ」
『8巻て…』
「…シン、そういうことは言わない約束でしょう」
「あぁそうだったか。スマンスマン」
「さて、既に皆は広間の方にいるみたいですから行きますか?」
『ドミノ…やったことないんですけど大丈夫ですか?』
「確かに…単純作業ですから苦手な方は苦手でしょうね」
「はっはっは、細かいことは気にするな。楽しめばいいんだ楽しめば」
『…シンドバッドさん…凄く楽しそうですね』
「ああいう人が一番に倒しそうですが…まぁいいでしょう」
「そ〜っとだぞアラジン」
『あ、アラジンくん、アリババくん、モルちゃん!』
広間へのドアを開け、まず第一に発見できた知人の元へ駆けて行く。
大勢の人がいる中で知っている人を見つけられたあの安心感と言ったら、という様子で隣のシンドバッドとジャーファルをすり抜けて3人の元へ向かう。
自ら誰かに近付けるようになったシエルに複雑な親心を感じつつ2人はそれを見送った。
ぷるぷると震えるアラジンの手には小さなドミノ。
アリババの手には万が一倒れても被害を最小限に抑えるためのついたて。
2人一組でこの作業を繰り返しているらしい。
「あ、エルさんさん!見て見て10個できたーっ!」
「やったな〜!」
『凄い!あ、私もやっていい?』
「おう!」
アリババからドミノを受け取り、その続きを並べて行こうとドミノを摘まむ。
「………」
『…も、…モルちゃん?』
イライライライラ
本当に副音声で聞こえてきそうなほど表情にもにじみ出たイライラ感。
モルジアナは見るからにイラついていた。
今すぐにでもこの羅列したドミノを踏み倒したい勢いに駆られながらも1枚1枚ドミノを並べていく。
あまりのイラつきからか返事も遅れ気味なモルジアナに、触らぬ神に祟りなしとシエルはドミノを手に取った。
「モルさんは細かい作業が苦手なんだって」
『性格が結構豪快だからかな…』
「俺は割と好き」
『確かにアリババくんこういうの得意そう!』
「なんだよソレ」
『手先が器用そうってことかな』
言っている内にシエルによってドミノの列が高速で増えていく。
だが、シエルの口は動いている。
手元を見ずにシエルはドミノを並べているのだ。
え?と誰かがツッコむ前に声を漏らす人物。
「凄いな!シエルにはそんな特技があったのか」
『シッ…!』
「「「あー!!!!!!」」」
『あっ?!』
唐突なシンドバッドの声に驚いたシエルが手から零した1枚のドミノが並べられたドミノに落下。
結果倒れ始めたドミノに嬌声が上がり今までの苦労は…!と誰もが思った。
が、それはすぐさまに止められることになる。
倒れていくドミノの波、シエルはその規則的な動きの先に慌てて手元のドミノを投げた。
パタリ、1つ不規則に倒れたドミノ。
規則的な波は遮断され被害は予想以上に少ないところで止まった。
「あ、…あっぶな〜……」
「流石シエルさん……」
『いや、あの、ごめんなさい…』
「気にしないでいいですよ。…貴方はなに邪魔してるんですか」
「いや〜シエルが凄かったもんだからつい、な。それにしてもモルジアナは細かい作業が苦手とは…うちのファナリスと一緒だな!」
シンドバッドが笑った先には作業をする気は毛頭ないのか"細かい作業ムリっす"と作業放棄するマスルールが。
「な〜に、七海の覇王ともなれば、ドミノだってお手のもの…」
言いつつドミノを並べるのか、と思った瞬間。
ハックショイ
パタタタ
「「「『アーッ!!』」」」
シンドバッドのくしゃみによって倒されたドミノが今度はジャーファルの手によってストップ。
流石は政務官様。抜かりがない。
「コラーッ!」
「すまん」
「ナイスフォロー……」
『ジャーファルさん…凄いですね』
なぜかこんなところでもジャーファルの気苦労を感じてしまった。
その後しっかりと全員で修正にかかりましたとさ。
親睦ドミノの喜歌
(シンドバッドさん…じつは細かい作業苦手です?)
(何言ってるんだ。こんなものお茶の子さいさいだぞ!)
((…細かい作業好きなのに苦手な人なんだろうなぁ……しかも無自覚で))
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