※マギ的世界観無視←






今日は世間で言う大晦日、と呼ばれる日である。
1年を締めくくる最後の日。
今年やり残したことはないか、来年への一歩を踏み出す足がかりにもなる日だ。
長くて短かったような1年。
過ごしていれば長く感じるが振り返れば短く感じる。


「…はやいな」
『早いですね』


時が過ぎるとはそういうもの。


「シエルちゃんが来てからどれくらいになるのかしら?」
「今年なのは確かだろ?」
「半年ちょいぐらいっすかね?」


そんなメタ発言が飛び交いつつ、しかしその日にちの長さに我ながら驚くシエル。
思い出せばあの日、自分がここに来たのは運命だったのだろうと信じたい。


「あの時の事は僕一生忘れないと思うなぁ〜」
「俺もだな…」
「私もです」

『そう言えば、気を失った後最初に話したのはモルちゃんだったっけ』
「そうですね」
「俺もいたぞ!」
「寝てましたけど」
「『……』」


世界を渡るだなんてどんなスリリングな旅よりも体験できないこと。
七海の覇王と呼ばれるシンドバッドだって体験したことはない。
ウリエルの力、と言ってしまえばそれまでだが今ではそれに感謝しなければならないだろう。


『でも私、ここに来れてよかったです』


例えどれだけの月日が経とうとも。
あの日あの時、この場所に来れたことは自分にとっての世界を全て変えた。

見るもの聞くもの感じるもの、
挙げていけばキリがないがそれ程までにシエルの世界は変わったのだ。


「まぁ、我が国シンドリアだからな」
「なに得意げにしてるんですか」

『でも、その通りだと思います』


ふんぞり返るシンドバッドにジャーファルが辛辣に突っ込んだが、シエルは笑いながら部屋に募る全員の顔を見渡した。



『シンドバッドさんがいたから、今私はここにいれるんだと思うんです』



こうして普通の生活ができているのも、
笑顔が誰かに向けられるのも、
友と呼べるような者を共に笑い合うことができるのも

全ては、彼がくれた"日常"。
ずっと望んでいたものはいつのまにか当たり前のものとなっていた。
そして側には大好きな、愛する人もいる。



『だから私にとっては毎日が一番楽しい日々でした』
「…ホントにそう言ってくれるか?」
『はい』
「……やはり俺はこういう時、王になってよかったと思えるよ」

「シエルちゃん!これからもずっと一緒だからね…!」
「そうだよエルさん!」
「むしろもっと甘えてくれても…」
「先輩黙ってください」
「んだと!?」

「いい加減怒りますよ」
「スンマセン」


一瞬で熱気に包まれる部屋の雰囲気。
そこにはシンドバッドが言ったのと似たような気持ちがある。

――こんなありふれた情景を見ていると、この世界に来てよかったなって思えるんです。



「?シエル、何か言ったか?」
『いいえ』



この年が終わっても、変わらぬ笑顔があらんことを。






今年最後の日


『ちなみにマギ自体のジャンルが追加されたのが4月24日。それからほぼノンストップなんで…』
「天音の数え間違いがなければ251日だ」

「「「「「あんたらなんで覚えてんですか」」」」」

「『(天音が)数えたから』」


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来年もよろしくお願いします^^
天音

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