「わ〜綺麗!!」
『葵ちゃんこっち見て見て!』
「えっ、すご〜い!」
『綺麗だよね!』


「名前の方が綺麗だよ…」
「なにコイツ気持ち悪い」



雷門中学一同はただ今水族館にやって来ていた。

普段は練習で忙しいサッカー部だが、前に浜野が水族館に行った話を名前にしたところ『行ってみたい!』と言い出した名前に拓人がわざわざこの休みを用意したのだ。
最初は勿論名前と二人きりと思っていた拓人だったが皆で行きたい!と名前が言った為優先するは名前。
正直な所変なムシが付いたら困るのだが名前の望みとあらば仕方がない。

サッカー部全員が名前から目を離すことはなく名前を連れ出すタイミングを見計らっていたのだが目を光らせている者が多い分それが叶わないでいた。


「名前、あっちの熱帯魚ゾーン行かねぇ?」
『熱帯魚ですかっ!?行きます行きます!』
「南沢さん抜け駆けは許しませんよ」
「るせ倉間。ここは先輩に譲れ」
「そうはさせるかぁぁぁ!」
「うわ神童!」

「…名前こっち来い」
『?うん、蘭ちゃん』
「ちゅーかいつもと変わんないねー」
「しょうがないですよ…」

「名前チャーン俺と一緒に」
「ソニックショット!」「フォルテシモ!」

「…あいつらどっからボール持ってきた」


ここが公共の場だと言うことも忘れていつもの騒動が続く。
騒動の中心である名前を蘭丸が誘導し、大騒ぎするBGMを横に熱帯魚コーナーの一角にやって来ていた一同。

BGMが騒がしすぎる気がするが慣れきった部員に気にも止めない名前は騒々しい空間をまるでなかったような振る舞いで薄暗い水族館をまわっていく。


『あ、見て見て蘭ちゃんエンゼルフィッシュだよー』

「奏の方が天使だ」
「ハンターズネット!」
「おまわりさんこの人です」
「とりあえず霧野お前名前の隣に立つんじゃない調子に乗るなぁぁあぁぁあぁ」

「…悪い名前ちょっと先行っててくれ」
『?どうかしたの?』
「……気にするな」


首を傾げて蘭丸を見送りややこしい騒ぎの渦へ飛び込んでいく蘭丸は誰よりも男前だったと後に誰かが語ったとかそうでないとか。
騒がしい奴らに鉄拳を食らわせここが公共の場であるとか大事なことを思い出させつつ説教が開始される。
これは長くなるだろうなと思った人物が1人。


「なー名前、これからこの先でイルカショーあるらしいけど今から行かね?」
『イルカショーもあるんですか?行きたいです!』
「よっしゃ!じゃあ行くか。暗いから俺が案内するなー」


こうして下心は全くない浜野のさりげないお誘いが行われた。
それは後にイルカショーを楽しむ2人見て全員が「(浜野この野郎…)」と思うのだがそんなことこの天然2人は知らない。





天然の2乗=どうしようもない

(ここはショー終わったらイルカ触りにいけるんだよね〜)
(そうなんですかっ!?)
(行く?)
(行きます!)

(((((浜野ェ……!!!!)))))

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