「いいか霧野俺は監督に話があるから今日は名前と帰れ俺が許可する。間違っても他の奴を含めて帰るな先輩でもだ特に南沢さんには気をつけろよあの人は何するかわからないからなくれぐれも名前とおかしな輩を一緒にするなわかったな」


背後にエアー化身(霧野命名)とも言えるオーラを纏わせそう言ってきたのは名前に対する思いの通常運転である。
内心ため息をつきながらもまぁ幼なじみが心配なのでそれを承諾し、校則違反だが持ち込んだ携帯で名前にメールを送る。
どうせ拓人からもメールを送っているだろうが社交辞令というかなんというか。
すぐに"いいよ"と気ままな返信が返ってきてとりあえず一安心。

拓人と別れ名前と合流し、そして厄介な奴がやってくる。


「名前チャーン!一緒に帰らない?」
『マサキくん?』

「…残念だが狩屋、今日は神童がいないから駄目だ」
「だから誘ったに決まってるじゃないですか」
「後で痛い目見るのはお前だぞ」
「俺が痛い目に合う前に俺と名前チャンとが一緒になった時点で霧野先輩も痛い目見ますよ?」
「ほう…口だけは達者だな」

『?』


名前には見えない火花が二人の間に飛び火する。
睨み合う二人、先手を打ったのはマサキだった。


「てことで名前チャンは俺と帰るんで」


名前の腕を引き、自分の元に名前を引き寄せる。


「いや、名前は俺と帰るんだ」


負けじと今度は蘭丸が名前の肩を抱き自分の胸へと引き寄せる。
見えない火花を一身に浴びながらも気付かないままダメージはゼロな名前。
疑問符を頭に浮かべなすがままになっていた。


「やるのか狩屋…?」
「やりますか先輩…?」
『あの〜…?蘭ちゃん?マサキくん?』


体は蘭丸に、だが腕はマサキに握られたままで無言の圧が続く。


『もしも〜し?』
「悪いな名前、コイツとは決着を付けないと帰れない」
「ちょっと待っててよちょちょいと終わらせちゃうから」
『え?え?』

「いやお前ら俺も一緒に帰るぞ」
「「うぉぉ!?」」

『お兄ちゃん!監督との話は終わったの?』
「名前の為に話はさっさと終わらせてきたこれでもう安心だ」
『じゃあ4人で帰れるね!』

「「………」」


オイ何のために俺たち争ってたんだよ。

心の叫びは言葉にはならず最終的に拓人の監視下でしか名前と下校することは叶わなかった。
それよりもまず蘭丸とマサキは先程目撃された名前を引っ張り合う現場を後にどう説明するかを善良で考えていたことなんて名前が知るよしもない。





三つ巴現場。証拠隠滅不能事件

(おい狩屋…お前も言い訳を考えろ)
(無理っすよ…)
(2人ともどうかしたの?)

(なんでもないよな…?)
(((……やべぇ)))

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